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「安っぽさ」を丁寧に表現したレトロPC風ゲーム!『モスメン 1966』レビュー!【PS4/Switch/Xbox/PC】

 

 

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『モスメン1966』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:コーラス・ワールドワイド

機種:PS4/Switch/Xbox/PC

ジャンル:インタラクティブ・アドベンチャー

発売日:2022/07/14

価格(税込):990~1210円


 

LCB Game Studioが手掛ける『ピクセル・パルプ』という新シリーズだ。

ローカライズはコーラス・ワールドワイド。

グラフィックは80年代のPCソフト風で、

シナリオは20世紀半ばのパルプ・フィクション(安っぽい小説)風という構成だ。

三部作の一作目という位置付けらしい。

 

丁寧な雰囲気作りから繰り出される

行き当たりばったりのシナリオに唐突なミニゲーム!

後半いきなり挟まる派手なだけの荒唐無稽なアクションシーン!

しかしこれ明らかにわざとやってて好きな人にはたまらない!

なるほどこれが『ピクセル・パルプ』か……と納得させられた。

 

未確認生物として知られる「モスマン」を題材にしたADVなんだが、

実際遊ぶとあんまり関係ないぞ!

いや、複数形って事を考えると最後のアレにかかっているのかな……?

 

このノリとボリュームの無さで好き嫌いは分かれるが、

個人的には結構好きだったぜ。

 

 

主人公は3人で、章ごとに視点が切り替わりながら進んでいく。

基本はテキストアドベンチャーで、文字を読んで選択肢を選んでいくだけだ。

 

 

ガソリンスタンドのオーナー、大学生のカップル、

超常現象を研究する作家といった面々が、

奇妙な出来事に巻き込まれていくシナリオ。

 

オーナーは足の動かない祖母の面倒を見ていて

暇な時はソリティアを1人で延々と遊んでる。

カップルは男の方ばかり盛り上がって女は内心かなり冷めてるが、

実は妊娠してることをかなり悩んでる。

そこら辺を掘り下げているうちに

黒づくめの謎の男が登場したりと怪しげな雰囲気になっていき、

ついには怪物が登場して彼らに襲い掛かる!という流れ。

 

 

本作で素晴らしいのはこのレトロPC風のグラフィック。

色数を押さえた荒々しいアートワークは独特の空気感があるし、

シーン毎に異なるスチルが登場するので気合の入れ方が凄い。

迫真さが伝わるなどこの表現だからこそだ。

車を運転するシーンで背景がカタカタと動くのも味があるね。

 

 

こちらは謎の黒づくめの男たちが音もなくやってくるシーン。

このコテコテな不気味さが非常にいい。

 

 

いきなりカードを歯で引きちぎってこちらを威圧してくるぞ!

こいつらが何者かは最後まで分からない……!

 

 

ちょっとしたミニゲームもある。

選択肢を選んでコヨーテの襲撃を避けるシーンや、

パズルを解いて安全装置を解除するシーンなどだ。

正しい選択を選び続けないと即死!というシーンもあり、

「なんでこんなことを!?」と困惑しながら何度もやり直すことになる。

ここはやはり古いADVの理不尽な所を意識したパートだろうか。

 

とはいえ、死んでも直前からすぐ再開できるし、

面倒なパズルはスルー出来る箇所もある。

そこは現代風で優しいモスメンだった。

 

 

ソリティアのミニゲームもあってここだけ延々とやっちゃう。

 

 

クリアするだけなら1時間くらい。

細かい会話の変化はあってもストーリー分岐は無し。

次々に怪しい出来事や胡散臭い考察が飛び出しては

「あれ何だったんだよ!?」という勢いで次に進んでいき、

最後はテンション高すぎて笑えるくらいのドンパチが始まって

そのままよく分からずに終わる!

三部作の一作目なので引っかかった点は今後回収されるかもしれないが、

大半は回収されないと俺は予想するぜ……!

 

定価を考えると割高に感じてしまうが、

B級作品好きなら気に入る人もいるだろうって1本だ。

翻訳は丁寧だし、キャラの細かい描写には光る物もあったぜ。

 

 

ちなみにボーナスコンテンツとして次回作の体験版も収録。

次は少年少女たちが主人公でガラッと雰囲気が変わっているね。

せっかくだから三部作全部付き合ってやる。次も楽しみに待つぞ。