絶対SIMPLE主義

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昭和ガメラ全部見たので感想書く!

 

17年ぶりのガメラシリーズ新作『GAMERA -Rebirth-』が、9月7日からNetflixで配信開始!

昭和ガメラの怪獣が次々に登場する怪獣バトル満載っぽい構成だ。

ガメラシリーズは平成3部作と小さき勇者たちを見ていて好きなんだけど、

昭和ガメラに関しては子供のころにレンタルで何本か見たっきり。

主題歌に思い入れはあるんだけど内容はまったく覚えていなかったので、

この機会に全部視聴したぞ!ガメラシリーズコンプリートだ!


Amazon.co.jp: 角川シネマコレクション: Prime Video

 

アマプラの角川シネマコレクションにシリーズ全部そろってて、

初回14日間は無料なのでこれで視聴。

まあ、東京ゲームショウとか色々忙しくて無料期間過ぎて396円取られてしまったが、

昭和ガメラ全部見てこの値段なら安いもんよ!

 

全部見たけど色々凄かったな……。

当時の大映の懐事情の苦しさがダイレクトに反映されていて、

回を重ねるごとに特撮もシナリオもどんどんボロボロになり、

子供向けを意識して試行錯誤した結果どんどんカオスになっていく。

その中でも毎回血まみれのボロボロになりながら怪獣を倒すガメラの姿が重なって

涙無くしては見られないシリーズ。簡単に全話感想書いていくぞ!

 

 

『大怪獣ガメラ』

国産怪獣映画のスタンダードになるだけの貫禄がある初代ゴジラと違い、

ガメラは怪獣ブームの中から生まれた作品なため、

記念すべき一作目からかなり空気がゆるい!

謎の国籍不明機が落とした核爆弾で目覚めた古代アトランティスの怪獣ガメラが、

とにかくあっちこっちで暴れまくる!

謎の国籍不明機は最後まで正体不明のまま!

だいぶ行き当たりばったり感のあるシナリオで、

なんか空気読めない棒読みの子役がやたら迷惑かける展開もあるが、

とにかく景気良く燃やしまくる特撮など見どころは多い。

 

甲羅に手足を収納して火を噴いて飛ぶあの飛行シーンや、

白黒映像の中でギラリと輝くガメラの瞳など、

「ガメラ」という怪獣の存在感はバツグンで人気出るのは今見ても納得。

この時点ではただの人類に対する脅威として描かれているが、

一応子供には優しいシーンもある……かな!?

 

ガメラはエネルギーを求めて暴れているので、

東京湾から大島まで石油を燃やして炎でガメラを誘導しよう!

とか言い出すのあまりに無茶苦茶なんだけど、

海面を炎が走って東京湾から大島まで伸びていくのは綺麗。

ラストも含めて「そうはならんやろ!」って映像を

真正面から「なっとるやろがい!」してくるのファンタジーしてて結構好き。

いや、ラストシーンそうはならんやろ!

 

そういえば古代アトランティス設定、この映画だけですぐどっか行ったな……。

最終的に宇宙を飛びまわりながら地球を守る守護者みたいになってて、

ガメラがどういう怪獣なのかよくわからなかった。

『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』

最初に「今から半年前」のナレーションで前作のあらすじから始まるが、

本当に半年で作られた続編なので現代の映画とスピード感が違い過ぎる。

ロケットで宇宙に捨てたガメラが隕石に衝突し、地球に落下!

そのままエネルギーを求めて黒部ダムを破壊する!

という導入がもうあまりに力技過ぎる。

黒部ダム破壊シーンはスケール感が凄いし、

昭和ガメラでこの後2回も使いまわされるので完全に聖地。

 

『キングコング』からの影響で昭和怪獣映画だとよく出てくる謎の部族に、

そいつらを騙してお宝を狙う悪い日本人。

仲間割れして毒で殺しあったりする殺伐としたやり取り。

実はお宝じゃなくて怪獣バルゴンの卵で大パニック!

という展開でドラマパートが長く、子役も登場しない。

前作に比べると良くも悪くも普通の怪獣映画になったかな。

 

メインスタッフが異なっていることもあるんだけど、後から振り返ると、

普通の怪獣映画だからこそ昭和ガメラでは異色になってるのが面白い。

船内で騒いでるシーンとかに見覚えがあったので、

俺が子供のころに見たのはこれっぽかった。

 

バルゴンはデザインこそ没個性的だけど、

冷凍光線にベロ攻撃、そして背中から出す虹光線など、

かなり多芸な怪獣で見ていて面白かったし、

ヒットで予算増えたのが一目でわかる京都襲撃シーンの迫力すごい!

虹光線は見た目的にもインパクト抜群で今見てもイカしてるぜ。

『大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス』

実はガメラは子供にやさしい良いやつだった!という報道がされ、

見ていて「そうかな……そうかも……そうかな……」と思わされつつ

ここで完全に子供の味方としてヒーローになったガメラ。

鋭角な悪人面のギャオスかっけぇ~!今見ても圧倒的な名悪役。

 

このギャオスの生態を少しずつ分析して人類が対抗する流れや、

超音波メスで真っ二つになっていく車や飛行機の描写、

ガメラとギャオスの能力をフルに生かした下品な血みどろ怪獣ファイトと、

アイデアいっぱいで見ていて飽きさせない作り!

 

人工血液で回転台に誘導されたギャオスが、

日の出ギリギリまでひたすらグルグル回され続けるシーンめっちゃ好き。

ガメラが引きちぎったギャオスの足を工員が発見して

おまわりさん呼んでくるシーンもいいなあ。

1作目でガメラに会いに鉄道で突っ込もうとしたガキと違って、

本作の英一君はちゃんと役に立ってるね。

 

高速道路の建設に反対してる村人が悪者っぽく書かれてるのは、

高度経済成長期だった1967年という時代を感じる。

昭和ガメラでは頭一つ抜けて完成度が高く、1本見るならこれだね。

『ガメラ対宇宙怪獣 バイラス』

ちょっと待って……ギャオスから1年でこんな内容になっちゃうの!?と唖然。

ついに悪の宇宙人が登場してしまった!

地球侵略するぜ~!ってテンション上げてた宇宙人が、

宇宙空間を回転しながら飛ぶガメラにビビって攻撃しかけた結果

反撃で円盤破壊される冒頭からもうおかしい!

まずなんでガメラが宇宙をパトロールしてるんだよ!?

 

宇宙人がガメラの情報を探る流れで見せられる過去のダイジェスト映像と、

ガメラとUFOが海岸沿いでわちゃわちゃしてるだけの特撮パートと、

まったく緊張感のない上に

やるイタズラがシャレになってない子ども2人の冒険だけで50分くらい経過。

やっと宇宙人に操られたガメラが暴れ始めたと思ったら

暴れるシーンが全部過去作の流用だから急に白黒になったりする。

当時はビデオなんかなかったから、

過去作のダイジェストでもありがたいとは思うがさすがにこれは……。

 

悪の宇宙人が普通のおっさんだと思ったら体内に潜んでるイカみたいな奴が本体。

人間の体が裂けて中から出てくるのが妙にグロい!

 

バイラスは安っぽいデザインではあるけど、

妙にクッキリした顔立ちと触手の操演は結構好き。

バイラスが頭に岩を刺したまま海に逃げるシーンや、

ガメラに組み付かれたままのバイラスが海上を逃げてサーフィンみたいになるのイカしてる。

 

バイラスの鋭利な頭で「これ死ぬだろ!?」ってくらい腹をグッサリ刺されたガメラが、

そのまま飛行してバイラスを高所から叩き落として勝利するのすげぇよガメラ……!

見てる子供はもっとガメラを労ってやれ!

 

有名な「ガメラマーチ」はここで初登場。思ったより後からの登場だったんだなぁ。

『ガメラ対大悪獣 ギロン』

ついに舞台は地球ではなく安っぽい他の惑星に!

そこら辺にあった無人の円盤に子供が乗り込んで宇宙に飛び出しちゃって、

隕石にぶつかりそうになったら急に出てきたガメラが助けてくれて……。

導入からかなり飛ばしてるぜ。

 

刃物に手足をそのままつけたようなギロンはやっぱり最高のデザイン。

頭の横の穴から手裏剣がピュッと出るのも意味が分からなくてすごい。

唐突に出てきた宇宙ギャオスをギロンが瞬殺するのは結構テンション上がった。

あのギャオスを簡単に倒すギロンすげぇ!

まあその後のガメラとの戦闘はゆったりしてるんだが……。

宇宙ギャオスをバラバラにして食おうとするけど臭くてやめるとか、

手裏剣がガメラの体にグサグサ突き刺さって血が出まくるとか痛々しい描写多い

 

子どもだけの大冒険に大人もビックリ!って構成は嫌いではないんだが、

科学力はすごいのに頭の悪い宇宙人との追いかけっこがメイン。

このモタモタした展開はなかなかしんどい。

親切な宇宙人のお姉さんが実は子どもを食べようとする悪い宇宙人だった。

ってのは童話っぽくて嫌いじゃないかも。

銀色のピカピカした服着てるのも「チープな特撮の宇宙人!」って感じで趣ある。

 

宇宙人が子どもの頭蓋骨を割って脳細胞を貪り食おうとするシーンで、

まず髪の毛を綺麗に剃るとか描写が妙に細かくて怖い!

オチの「頭を丸めて反省してます!」の前振りなのは分かるが普通に怖いよ……。

『ガメラ対大魔獣 ジャイガー』

ここに来てちゃんとした怪獣映画が帰ってきた!

序盤から怪獣バトルで市街地での派手な特撮シーンがあったり、

怪獣の特徴を分析しての作戦立てだったりと、

ギロンとバイラスがヤバ過ぎたせいもあって感動したぜ。

ガメラの体内探検とか展開も一捻りある。子役の棒読み率はこれまでで一番だ!

 

万博に展示するために持って来た怪しい石像が元で怪獣が出るぜー!

というお話で、ガメラも万博防衛の任務を背負わされたり当時の空気感伝わる。

今見ると万博紹介パートもなかなか楽しいし、

太陽の塔も出てくるので「タローマンでやったところだ!」と理解も深まるな

 

ジャイガー、変な所から牙だか角だかが生えててパチモノ怪獣っぽいデザインだし、

針を飛ばしたり、尻尾で卵を産み付けたり、

念力を使ったりそのまま飛行したり、割とコンセプトよく分からない怪獣だが、

この多芸っぷりが面白いし、分子構造破壊光線で街を吹き飛ばすしめっちゃつええ!

昭和ガメラでは最強かもしれん。

 

昭和ガメラはやたら残酷なシーンが多いけど、

本作はガメラが両手両足に針刺されてひっくり返されて、

飛ぶことも出来ず流血して悶えるとか、

ジャイガーに卵を産み付けられて貧血でスケスケになったり(どういうこと?)、

電信柱で自分の鼓膜を破ったりと今回は特にひどい目にあってるな……。

 

ガメラの体に産み付けられたジャイガーの幼体が血を吸いガメラが倒れる!

ガメラの体内に入って幼体を倒すぞ!

という展開だけど幼体1匹しかいないしモタモタ歩いて雑音で死ぬから弱すぎる。

そしてジャイガー封印の手段として笛の音を引っ張ったのに、

最後はジャイガーの脳天に笛をぶっ差して大出血で勝利!笛の音関係ねぇ!

『ガメラ対深海怪獣 ジグラ』

旧大映時代最後のガメラ作品。

うおお~!棒読みの子役の説明口調と、

科学力は高いけど頭が悪すぎる宇宙人のドタバタだぁ~!

昭和ガメラと言えばこれですよね!(虚無の顔)

宇宙船のセット毎回似たような感じだな!

タイアップしてる鴨川シーワールドだけでほぼ撮影を済ませており、

怪獣対策本部も鴨川シーワールドに設置される。

最後は取ってつけたような環境問題に関するメッセージで締め!

ここまでくると菩薩の表情で見れる。

水着のお姉さんがやたら出てきたがお父さん向けのサービスだったのか……?

調べるとそんなような証言が出てくる。

 

ジグラのいかにも悪役らしいデザインと、

ガメラと対になる水中形態があるのは結構好き。

まあ、なんか棒読みで喋って全部説明するから威厳が無く、

偉そうなこと言ってるがただの侵略者で、陸に上がったら火炎放射でアッサリ死ぬし、

そもそも事故で巨大化したとかそんな話だったけど……。

ガメラがジグラの背中の凸凹で演奏するゴキゲンなシーンも謎。

『宇宙怪獣ガメラ』

大映映画から実に9年ぶりに公開された昭和ガメラ最後の作品。

昭和ガメラをここまで見てきた俺は多少のことでは驚かないぞ!

と呑気に構えていた俺も「一体どうしちゃったんですか!?」とひっくり返った。

 

聞いたことない妙なガメラの歌で始まる冒頭でもう怪しいものを感じていたんだが、

地球を狙う宇宙海賊(安いスターウォーズ)と、

平和を監視する3人の宇宙人(安いスーパーガール)のバトルがシナリオの軸で、

ガメラの活躍シーンはほぼ流用でシナリオがチグハグな凄まじい作り。

また黒部ダムが破壊されておるぞー!

高度な科学力を持つ宇宙生物が水圧で巨大化した存在だったジグラが、

流用でただの宇宙海賊の手先の深海怪獣として出てくるところに哀愁を感じる。

 

数少ない新撮映像で、

当時シリーズが途絶えてたゴジラを皮肉るようなシーンがあるんだけど、

ガメラお前……自分が死んでることに気付いてないのか!?

 

唐突にこち亀でガメラが紹介されているページを映した後に、

子どもたちが実際の亀有公園前派出所に行ったら両さんそっくりのお巡りさんがいるとか、

子どもの夢のシーンでガメラがヤマトや銀河鉄道999と共演するとか、

話と一切関係ない流行りものとコラボしただけのシーンが多々あってなんなのこれ!?

こち亀ってこの時期だとまだ18巻くらいかぁという感慨深さはある。

 

主役のスーパーガールは当時女子プロレスラーだったマッハ文朱さんが演じていて、

シュバッ!シュバッ!という効果音付きの変なポーズと共に、

マントと白いタイツ姿に変身するのを何度も見せられるぜ!

女子プロだけあってマッハ文朱さん、ガタイ良くて人間体の着こなしがかっちょいい。

 

マッハ文朱さんが公園で殴り合ってる間に

ガメラが敵の惑星まで飛んでギロンと戦うとか、

強引な映像流用がだんだんと面白くなってくる。

 

敵の工作員ギルゲがびっくりするくらい役に立たないのも面白すぎる。

「ギルゲ!ガメラとは何者だ!」とボスに聞かれて、

「圭一という少年に聞いたのですがよく分かりません!」って返したり、

「もはやガメラは来ないと思います」といったすぐ後にガメラが来たり。

ダメだこいつ早くなんとかしないと… …。

 

低予算なので過去作のフィルム流用で合間に流行り物を詰め込んだのは分かるが、

それで出力されてるのがこの内容ってどうなってんの!?

 

ついに新規怪獣の登場すらなくなってしまい、

ボロボロのシリーズを支えて戦い続けたガメラの最期は、

スターウォーズのパチモンの宇宙船と相打ちで終わり。

あんまり過ぎて見終わった後とても悲しくなってきた。

変身ポーズで元気出さなきゃ……(シュバッ!シュバッ!)

 

 

以上で昭和ガメラ完走!

ガメラのことはさらに好きになれたので見て良かったとは思うが、

気合の入った特撮オタク以外にはオススメ出来ません!

昭和ガメラ一気に見ると

「平成ガメラはちょっと真面目過ぎるんじゃないか?」という感情すら湧いてくる。

 

 

これで『GAMERA -Rebirth-』を最高の状態で楽しめるってもんよ!

ガメラとギャオス、ジャイガー、バイラス、ジグラ、ギロンが戦う新作。

遅ればせながらこれがどれだけ凄いことか理解できた。

特にジャイガーの多彩な攻撃方法をどうアレンジしてくるのか楽しみ~!

でも棒読みの子どもが宇宙人と追いかけっこする内容とかにならないか心配!

一休みしたら見るぞ!