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カムバック作だけどこじんまりし過ぎ!?『帰ってきた名探偵ピカチュウ』レビュー!【Switch】

 

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『名探偵ピカチュウ ジャック』じゃなくて……。

『新名探偵ピカチュウ』じゃなくて……。

『帰ってきた 名探偵ピカチュウ』のレビュー行くぜ!

 

 

ポケモンセンターの通販で買ったら最高の箱で届いてテンション上がった。

調査するピカチュウがいっぱいで事件性のある箱だ!

 


パブリッシャー:ポケモン

機種:Switch

ジャンル:アドベンチャー

発売日:2023/10/06

価格(税込):6500円


 

舞台は人間とポケモンが共存するライムシティ。

大学生とおっさん声ピカチュウのコンビが難事件に挑む!

2016年に3DSで発売され、

2019年には映画化もされた『名探偵ピカチュウ』シリーズの最新作だ。

でかい伏線を残したままシリーズ止まっていたので新作待ってたぜ!

 

コテコテな名探偵ぶった言い回しをするおっさんピカチュウの魅力に、

ポケモンの存在が日常に溶け込んだ街を探索する面白さ。

そして今回から導入されたポケモンの背中に乗って力をお借りするシステムなど。

今回も「ポケモン+推理ADV」という構成が光る作品だ。

シナリオに関しては……ちゃんと完結します!

やったぜ!名探偵ピカチュウ・完!

 

ただ、前作よりも更に年齢層を下げた感のあるシナリオに加えて、

テンポの悪さや低予算っぷりが目立つところも多々有り。

楽しめたけどもう一押し欲しい作りだった。

 

 

舞台は「R事件」を解決した前作エンディングから2年後。

すっかり有名になって勲章まで貰っちゃった大学生探偵のティムと、

相棒のピカチュウが再び新たな事件に挑む。

ライムシティで不自然に多発するポケモン絡みの事件を解決しながら、

結局前作で見つからなかった行方不明の父親を捜すストーリーだ。

 

 

今回、ティムはCVが内田雄馬さんから上村祐翔​さんへ。

相棒のピカチュウはCVが大川透さんから山寺宏一さんへと変更になっているが、

ノリノリの掛け合いは健在。

 

 

「わざ」は使えないが推理力はバツグンで、

コーヒー大好きなピカチュウの表情豊かなアクションとおしゃべりを堪能できる。

 

 

冒頭から2年前の事件が映画化された会話があったり……。

 

 

「前回の事件調査から なぜか ずいぶんと時間が経ってしまっている……」

なんてセリフがあったりと、いきなりメタっぽいセリフもかましてくるぜ。

本当になんでこんなに時間が経ってしまったんですか!?

 

 

アドベンチャーゲームとしてはオーソドックスな作りで、

マップを歩き回って情報収集をし、事件解決に繋がる手掛かりを集める。

 

 

ある程度集まったらそれを元に推理をする。

ストーリーが進行する。

この繰り返しで最後は真相にたどり着いて事件解決だ。

マップは横長の地形を縦に並べたような構造になっており、

3Dだけど昔ながらの横スクロールのゲームっぽさがあるね。

 

 

カーソルを動かしてあちこち調べるシーンもある。

調べられる場所を全部調べるとピカチュウが教えてくれる親切仕様。

 

 

オプションで文字送りの高速化やONにすると足がめっちゃ速くなる高速移動、

推理パートで正解を表示する補助機能など。快適性は考えられてる。

文字をひらがなにも出来るので、小さなお子さんも安心だ。

名探偵ピカチュウあったけぇ……!

 

 

人間が自分の「パートナーポケモン」と共に生活する街なので、

どこに行ってもポケモンだらけ!

開発期間の関係かパルデア地方のポケモン未登場なのが惜しいところだが、

意外なポケモンが登場することもあったりで探索が楽しい。

 

 

「チョロネコは何時間見てても飽きん……!」

と言いながらじっとチョロネコを見つめるガチ勢のおじいさんとかいる。

 

 

ストーリーに絡む一部のポケモンは紹介デモが挟まるからかわいい。

 

 

そしてこの

「リアル寄りの映像でポケモンの存在を描くとデカくて怖い」

ってところも本作の魅力だ。ベロリンガ怖いんだけど!?

 

 

ピクシーも隅に立っているだけでかなり圧を感じる……。

メロメロボディではあるかもしれん。

 

 

移動中にボタンを押すとピカチュウが雑談をしてくれる機能があり、

一部のポケモンの近くでボタン押すとポケモン同士で会話を始める。

この会話パターンもかなり豊富で、しっかりボイスとモーションがあるので凝ってるぜ。

 

 

そして例外的にテレパシーで人語を話せるミュウツー。

今回も古谷徹さんが声やってるのめっちゃ良い

強キャラ感ありつつ優しさもこもっていて、本作のミュウツーにピッタリだ。

ここぞという場面での見せ場が多く、

やっぱりミュウツーが活躍してると嬉しくなるね。

 

 

ピカチュウの声が聞こえる人間はティムだけ。

ティムは他のポケモンと話せないがピカチュウは話せる。

なので、ピカチュウが集めた情報や証拠品を

ティムがうまく使う二人三脚で調査を進めていく。

 

というゲームだったが、今回はピカチュウが単独行動をする場面が多い。

調査中に出会ったポケモンの背中に乗り、その力を使って調査!

ガーディの背中に乗って臭いを辿ったり、ヒヒダルマのパンチで氷を破壊したりと、

各ポケモンの特徴をしっかり活かしているぞ。

 

 

ピカチュウの単独行動時には普通にポケモンの言葉がわかるので、

最初に言葉が分からないティム視点で接触し、

その後のピカチュウ視点で「こういうやつだったのか!」とわかるような構成が面白い。

「お前メスだったのか!?」と驚かされる場面もあった。

 

 

これはピカチュウと間違えられて豚箱にぶち込まれて激怒するデデンネ。

 

 

第1話で挑むのが豪邸での宝石盗難事件で、

容疑者一同を集めて「みなさん お集りのようですね」からの解決編など。

今回もコテコテの推理モノをやってくれるのが良い。

今の子供たちに、古き良き推理モノのお約束を教えてくれる名探偵ピカチュウ!

 

 

ただ、気になる点はかなり多い。

元々、推理要素はゆるくてシチュエーションや世界観を楽しむゲームだったんだが、

今回シナリオが更にゆるくなっており、

人物描写の浅さもあってあんまりのめり込めず。

あのキャラの扱いとかこれでいいのか?というオチ。

 

核になる展開がやや前作の焼き直しっぽいのと、

その割に調査するマップが前作より地味なのも痛いところ。

3DS版の方がTV局、遊園地、闇オークションが開かれる豪華客船、

カーニバルとバラエティ豊かで良かったなぁ。

ハードが3DSからNintendo Switchになったのにスケールアップしてる感じがなく、

むしろ世界が狭くなった印象が強い。

 

散々引っ張ってきた「あの真相」が明らかになるシーンや

終盤のアクションシーンでテンション上がる箇所はあったものの、

最終マップの尻すぼみっぷりもあって、ちょっと物足りないシナリオだったね。

 

他のポケモンの背中に乗って協力するアイデアも面白いものの、

この能力を無理に使わせようとしてテンポが悪くなっている箇所がチラホラ。

 

 

探索の合間に色々なサブイベントが発生するものの、

数が多いわりにちょっとしたお使いイベントばかりで、

クリアしてもその章の終了時に新聞記事で関連した文章が読めるだけなのも、

もう一捻り欲しいとこだった。

 

 

クリアまで15時間掛からないくらいのボリュームで、

良くも悪くも前作から更に対象年齢を下げた作りだ。

シリーズとしての魅力は健在で、十分面白いゲームではあると思う。

ただ、5年ぶりの新作かつ、間に方向性は違うが出来の良い映画版もあったので、

ちょっと期待しすぎてしまったかな……という感想。

 

「ポケモン+推理ADV」としてもっと進化が見たかった。

まあ、ポケモン同士の会話パートが増えたことで、

「ポケモンが沢山出てくるADV」としての幅は広がっているので、

ここは好みになるかも。

 

ひとまず完結したことはめでたいし、

まだシリーズ展開やる気はありそうなので今後に期待しとこう!