絶対SIMPLE主義

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【レビュー】ホラーゲームではない!?ネタ多すぎな市松人形の大冒険!『Ichima-san』【Switch/PC】

 

Ichima-san | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

 

Ichima-san on Steam

 

『Ichima-san』のレビュー行くぜ!俺がプレイしたのはNintendo Switch版ね。

 


パブリッシャー:sewohayami/わくわくゲームズ

機種:Switch/PC

ジャンル:ホラーコメディゲーム

発売日:2024/11/21(Switch)2024/8/8(PC)

価格:1650


 

人間の体を奪われて市松人形になってしまった主人公が、元の体に戻るために日本家屋を探索するアクションアドベンチャーだ。侵入した空き巣から身を隠したり、付喪神たちと会話をしたりしながら進めていく。

『百獣エスケープ』などを手掛けた「せをはやみ」氏の最新作であり、ホラーゲームっぽいがコミカルさ全開の内容になっているぞ。

 

Steamページには制作の経緯が書いてあり……。

 

制作の経緯
市松人形は元々、女の子が可愛がって遊ぶ玩具でした。
それがいつしか怖い存在として認識されるようになり、
今となっては怖いモチーフとしての扱いが当たり前になってしまっています。

原点回帰として、市松人形の可愛さにスポットを当てたゲームが
1つくらいあってもいいのではないかという考えを元に、このゲームが制作されました。

作中では、市松人形に限らず、忘れられかけている古き良き日本の風習や文化が
散りばめられた作品となっています。

身近な日本文化に触れてみたい方におすすめです。

少し怖くて時に切ない、心温まる冒険をお楽しみください。

 

実際遊ぶと納得。

可愛い市松人形が、忘れられかけた者たちの饗宴を巡るゲームとして面白かった!

 

 

ゲームを起動して最初の名前入力画面がこっくりさんなのナイス。

ホラーではないと言ったけど、冒頭はちょっとおどろおどろしい雰囲気だ。

 

 

人間の体を取り戻すには日本家屋の各地にあるクレストが必要だ!くわしくはこの説明書を読んでくれ!

という、話が早くて助かるノリでゲームスタートだ。

 


中央の部屋から各ステージを1つずつ攻略していく構成。

入口では回収してないクレストとそのヒント、話しかけてない付喪神などを達成率で確認できる。

 

 

めっちゃ豪快に侵入してくる空き巣を追い出すために、見つからないように火災報知機を鳴らして追い出すのが最初の目的。

鳴らして終わりではなく、空き巣がいなくなった後はステージをじっくり探索し、残ったクレストやアイテムを回収するのが本番となるぞ。

 

 

探す物や目的地はマップに全部表示されているので、じっくり見て火災報知器までのルートを確保するのだ。

 

 

市松人形は動くたびに「霊力」を消費し、尽きるとゲームオーバーでセーブポイントからやり直し。「霊力」は力を抜いて普通の市松人形のフリをする「脱力」をすることで回復するし、脱力中は人間に見つからない。

 

人間に見つかってしまうとどんどん「霊力」が減ってしまうし、捕まったらゲームオーバーとなる。人間の動きはかなり大雑把なので、とりあえず机の下に隠れて「脱力」すれば見逃してくれるぞ。空き巣は市松人形にやさしい。

 

「霊力」の管理はそこまでシビアじゃないし、付喪神と会話したり、そこら辺に落ちてるコイン……じゃなかった、霊魂を集めることでどんどん最大値が伸びていく。

 

 

火災報知器の場所やアイテムの場所をマップで確認してカメラを動かし、「どうすればあそこに行けるか」「どうすればあそこのアイテムを取れるか」を試行錯誤する面白さがある。箱庭型3Dアクションとして王道的な構成だ。主観視点で鉛筆を発射して仕掛けを動かしたり、物を落として人間を気絶させたり、終盤になると特定のブロックに引っかけて飛べる道具が出てきたりと、割と3Dゼルダみたいなノリかも。

 

 

なんか重要アイテム手に入れた時も演出も既視感あるからな!

 

 

市松人形のスケール感で日本家屋を探索するのもワクワクするし、この視点ならではの仕掛けも多い。稼働するロボット掃除機に乗って移動できるぞ!

 

 

やべ!人間だ!

たまたまロボット掃除機の上に置かれた市松人形のフリしよ……。

 

 

市松人形が軽快に走ったり、ホフクで隠れたり、ロープをスルスルと昇ったり……。この独特な空気感が笑えるし可愛いゲームである。ミニゲームとして、そろばんを乗り物にしたレースゲームなどもあるぞ。

 

 

味方として登場する付喪神たちもゆるいヤツらばかり。一貫してコミカルな空気感だ。

 

 

「この先に人間がいるぜ!」

と、『そろそろ寿司を食べないと死ぬぜ!』みたいなテンションで警告してくれるこけし。

 

 

マップに何十体と配置された付喪神たちは攻略のヒントをくれることもあるが、妙に生活感のある雑談を振って来たり、唐突に豆知識を語りだしたり、何やら含蓄のあること言い出したけど、よく聞いたらヒット曲の歌詞じゃん!ぶっちゃけありえない!ってなったりが大半。

芸風が『百獣エスケープ』と変わってないじゃねーか!

 

 

ステージ内でマンガを発見することが読むことが出来て、しかもちゃんと面白いのが細かい。こういう小ネタも多数あるのだ。

 


クリアするだけなら4時間くらい。クリア後のステージ探索や、達成度100%を目指したりするとかなりやり込める。

全体的に難易度低めなのに、クライマックスだけ変にシビアなのは気になったが、ステルス要素のある和風探索3Dアクションとしてよくまとまっている1本だ。バカゲーに思えるが少し切ない要素もあり、クリアするとゲームコンセプトに納得できる構成が綺麗だった!