RIKI 8Bit GAME Collection 公式サイト - 株式会社シティコネクション
『RIKI 8Bit GAME Collection』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:シティコネクション
機種:Switch
ジャンル:8ビットゲーム集
発売日:2024/11/28
価格:4950円(ダウンロード版)5940円(パッケージ版)
イラストレーター漫画家&ゲームクリエイターである「RIKI」氏が手掛けた5作品を1本にまとめたタイトルだ。
ファミコン実機で動作するFC互換カセットとして、2016年以降に発売された作品群。「ファミコン実機でこれ動かしてるの!?」と驚愕する映像、音楽表現が詰まっているぞ。
これまで実機で遊ぶしかなかったが、これからはSwitchで幅広いユーザーが気軽に楽しめる!オリジナルを買ってたのに、ほとんど起動してない俺にもありがたい移植である……!
実機で動かしてこそのコンセプトではあるが、それはそれ!これはこれ!
・収録タイトル
『キラキラスターナイト!』
『アストロ忍者マンDX』
『8BIT MUSIC POWER』
『8BIT MUSIC POWER FINAL』
『8BIT MUSIC POWER ENCORE』
収録タイトルはこの5本だが、3本を占める『8BIT MUSIC POWER』シリーズは多数のクリエイターが参加している音楽アルバム。『キラキラスターナイト!』はアクションゲームだが、どちらかというとドットとチップチューンが主役のミニゲーム的な作り。
なので、『RIKI 8Bit GAME Collection』と言いつつ、実態はゲームというよりアート作品集に近い。そこを理解して買わないと肩透かしになるが、極限と評するしかない8bit表現は脳みその深い部分を揺さぶってくるし、『アストロ忍者マンDX』に関してはしっかりゲキアツなシューティングになってるぜ。
共通仕様として3スロットのクイックセーブ&ロードに、画面左右の壁紙の切り替え、画面サイズを7種類から選択、画面フィルターを8種類から選択可能となっているぞ。
シティコネクションから出ているファミコン移植作と同じ仕様だね。
壁紙をオフにしてフィルターを一番強くするとこうなる。走査線が表示されて画面がにじみ、ブラウン管テレビ風に画面端は丸くなるのだ。
音楽ソフトである『8BIT MUSIC POWER』は画面をそのままにしていると次々に一枚絵が切り変わっていく作りだが、続く『8BIT MUSIC POWER FINAL』『8BIT MUSIC POWER ENCORE』に関しては曲ごとに背景が用意され、そこで音楽に合わせてドットのチビキャラが踊る構成になっている。内臓音源5チャンネルそれぞれのON/OFFというマニアックな機能も搭載だ。
3作合わせて30人以上の作曲陣はスマブラレベルの豪華さ。スマブラにはトビー・フォックスがいるけどこっちにはZUNがいるぜ!
個人的には安井洋介、ヒゲドライバー、田辺文雄(BUN)が熱い。
ファミコン実機でここまでの音圧と滑らかなドットアニメを搭載してるとは!と驚くクオリティで、テレビで流しっぱなしにしてるだけで空間の満足度が上昇していく。
あくまでも音楽ソフトだがちょっとしたミニゲームもある。振ってくるコインをひたすら拾うだけの内容だ。
「こんな滑らかな動きをするコインを実機でこの数表示してるだと……!」という楽しみ方をするもの。
『キラキラスターナイト!』は画面内を飛び回る星をキャッチしていくアクションゲームで、敵キャラやパワーアップアイテムなどは登場しない。制限時間以内に規定数の星をキャッチすればクリアだ。星の軌道をある程度先読みして立ち回る必要があるぞ。単純なゲームだが最終ステージはちょっと難しい。
背景ドットの色彩の厚みが凄くて絵画のようだ。
ポップさ全開のチップチューンと、主人公であるキララちゃんの可愛さが魅力。この8bitドットで表現された絵が良いんだわ!
『アストロ忍者マンDX』は全4ステージ構成のシューティングゲーム。
宇宙服を着たダルマか天狗のような「アストロ忍者マン」を操作し、宇宙からの侵略者を迎え撃つ内容となっている。
他の収録作品は可愛いキャラなのに、こちらは厳つくて異彩を放つ1本だ。
こいつらのせいで限定版のイラストが変な感じになってるじゃねーか!
左右移動のみで敵の攻撃を避ける作りでショットは自動。アイテムを取ると一緒に攻撃する分身が最大4体まで出現。分身がある状態で本体が弾を喰らうと分身が一人減り、分身がいない状態で弾を受けるとゲームオーバーとなる。
時間経過で溜まる画面右下の忍者パワーがMAXになると、ボタンを押して強力な貫通攻撃である「ニンジャソード」を発射可能だ。
忍者パワーはすぐ溜まるので、「ニンジャソード」は体感だと2秒に1回くらい発射できる。
飛来するザコ敵が飛ばす激しい弾幕をギリギリで避けながら、分身との一斉射撃で反撃をし、時には「ニンジャソード」で敵編隊をゴリッと削り取る!この緊張感とスピード感がたまらない手触り。
分身を増やすと攻撃範囲は広がるが、分身の数だけ移動出来るスペースが減って弾避けし辛くなる。この辺のハラハラする作りがうまいし、分身で強化されるのは「攻撃範囲」であり、「攻撃力」そのものは1人の時でも変わらない。
つまり、追い詰められて分身がゼロの状態でも火力そのものは変わらず、ゲームのテンポが悪くなったりしないってことだ。
BGMも絶対にプレイヤーの血液を沸騰させるという意気込みに溢れており、スピーディーなゲーム部分や、ショットを撃つ時に激しく腕を上下するアストロ忍者マン達とのハーモニーが最高にテンション上がる!
ボス前の何やら物騒なこと言ってる演出もキレッキレだ。
全4ステージなので短いが、ファミコン実機で動かしてるのが信じられない完成度の1本だぜ!
というわけでレビューは以上!
最初にも書いた通り「8bitの限界に挑んだアート作品」という作りだが、1本1本の密度と参加クリエイターの豪華さは折り紙付き。『アストロ忍者マンDX』もシューティングファンなら燃える作りだ。Nintendo Switchだと音楽プレーヤーとして持ち歩けるのも強いところ。
コンセプトがハマるかどうかになるが、8bitでのドット表現やチップチューンが好きなら一度手に取って貰いたい!