今一番ホットなキャラゲー!スーパーファミコン版『剣勇伝説YAIBA』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:バンプレスト
機種:SFC
ジャンル:アクションRPG
発売日:1994/3/25
1993年にアニメ化された『剣勇伝説YAIBA』のゲームだ。2人プレイも可能なアクションRPGで、アニメ版をベースに龍神の玉編までのストーリーを収録している。
発売された1994年3月25日は、前年に原作が終わってアニメももうすぐ最終回……というタイミングでの発売だったようだ。内容の違うゲームボーイ版も同時発売されてるのが当時の勢いを感じる。
現在は新アニメ版となる『真・侍伝 YAIBA』が放送中!作画が凄くてヤベェ~!旧アニメはかくや編で終わったけど、今回はそこから先もやってくれるんですよね!?という期待でテンションが高まり、子供の頃に遊んでクリア出来なかった本作を改めてクリア。今回レビューするというわけだ!
数十年ぶりに遊んだが、バランスがメチャクチャ過ぎて大分しんどかったぜ!
いい感じのオープニングデモ。
細かい説明はこれでさっと済ませて、ヤイバと鬼丸が学校で決闘!ってシーンからゲームは始まるぞ。
2人プレイ出来る都合で「龍神 雷」というゲームオリジナルキャラが登場。オープニングで知らないヤツがさやかの道場に居候してるのビビる。ヤイバの修行相手になるくらいには強い。
妹の「風」も出てきて仲間に加わる。
2人は雷神の剣と風神の剣を監視する番人で、どちらかが悪に傾いた時に出現する「闘神の剣」を振るって戦う存在だ。
原作でもアニメでも聞いたこと無い剣!YAIBAはサンデー連載なのにかなりジャンプの劇場版アニオリ展開だ……。
「フリーザには兄がいた!(DB)」「大魔王バーンの6軍団には影の6大将軍が存在した!(ダイ)」「霊界の上にはかつて冥界と呼ばれる場所が存在した!(幽白)」「念能力には対極となる怨が存在する!(H×H)」みたいな。
見下ろし視点のアクションRPGで、ザコを倒して強くなりながら各地のボスを撃破していく。序盤は一本道だが、中盤からは原作通りに日本各地を巡って玉を集める展開になるぞ。
ザコを倒してレベルアップすると必殺技を習得。ヤイバは原作通り「せんぷう剣」「かみなり斬り」「風車」の3つで序盤には全部覚えちゃう。必殺技はボタンの溜めやジャンプとの組み合わせで繰り出せる。ヤイバと雷は性能が違うんだが、ゲーム的には雷の方が使いやすくて強いんだよな……!
うおおおおーーーッ!風車だーーーーーッ!
全身で回転しながら敵を切り裂くこの技カッコ良くて好き。
必殺技以外にMPを消費して「玉」も使える。最初は「雷の玉」だけだが、「火の玉」「金の玉」「氷の玉」などなど増えていくぞ。ゲームオリジナルの「力の玉」などもあったり。
仲間キャラを呼び出して一緒に戦ってもらえるシステムもある。原作通りカゲトラの背中に乗って移動力アップ!これは嬉しい!
さやかと風は回復、他の武蔵や小次郎、柳生十兵衛などは敵を攻撃してくれるぞ。
正直言ってアクションとしては単調、RPGとしては薄味過ぎる構成だ。
お金を貯めて装備や回復アイテムを買える要素はあるが、「雷神の剣」を使わないといけないので武器は仲間用。防具は上位互換の服が2種類あるだけ。
攻撃系の仲間はチョロチョロ動いてこっちの邪魔したり、勝手に自滅するだけなので回復役以外はいない方がマシという悲しさ。柳生十兵衛、原作だとかなり強キャラなのに!
キツいのがボス戦で、どいつもこいつも攻撃パターンが1種類しかないのにHPがバカみたいに高い。攻撃力も高く、「敵の攻撃力-自分の防御力=ダメージ」というシンプルな計算式なので、レベルを上げないと大ダメージは必至。
こちらの攻撃は通常攻撃が10ダメージ、必殺技が40ダメージ、MP消費する雷の玉が300ダメージくらいなので、ショップで買ったMP回復アイテムをガブ飲みしながら雷の玉を撃つだけの戦闘が最初から最後まで続くぞ!
「雷の玉」は正面に衝撃波を放つ技なので、空中を飛んで攻撃時だけ地面に降りてくる系のボスは当てづらくてめっちゃイライラするぜ……。
お前のことだよ!原作では「バットマン」だけど、アニメとこのゲームでは「バットガイ」になってたお前!
中盤からは直線に貫通攻撃を放つ「氷の玉」の方が当てやすかったりするが、手触りは変わらない。恐らくめちゃくちゃレベルを上げれば殴った方が強くなるんだろうが……。どのくらい上げればそこにたどり着くかは分からん!
というわけで回復アイテムを買うための金稼ぎと、経験値稼ぎがプレイの大半になるが、中盤に手に入る「金の玉」がぶっ壊れ。ザコ敵をアイテムに変える玉で、雑に使うだけでゲーム内で大金の1000円や最高の回復アイテムが大量に手に入る!消費MPも低いのでバンバン連発出来る!
金玉が手に入った瞬間に金とアイテムに困らなくなるぞ。バランスどうなってんだよ!
ザコがひたすら無限湧きしてダラダラ長いだけのダンジョンと、アイテム切れた瞬間に長期戦になるボス戦もキツいが、ジャンプで足場を乗り継いでいく箇所も地味につらい。終盤のここは遊んだ人間誰もが苦しむ箇所だ。落下したら一撃死……ではないけど結構大ダメージを受ける。
セーブポイントが少ないゲームなのに、死んだらセーブしたところからやり直しだから地獄!
キャラゲーとしての見所はあり、原作再現したボスの種類が豊富。鬼丸の部下は大半が登場してきっちり戦闘がある。
スーファミの回転・拡大・縮小機能を活用したデカいボスもいるし、鬼丸飛行船の上でクモ男と戦うシーンなどはビジュアル的にも盛り上がるところ。
中盤は例の掛け軸から好きな場所を選び、日本各地を攻略する流れになるのがワクワク!YAIBAの全国旅して新しい力を秘めた玉を集めて幹部と戦う展開、めちゃくちゃゲームと相性いいからな……。
戦闘のないナマコ男、ヒトデ男、カマキリ男もきっちり登場するぞ!
とはいえ、展開自体はアニメ版の超ダイジェストで、一言二言喋って戦闘になるボス戦やイベントがほとんど。「金」「のーっ!」「玉」のくだりが無いし、「大の玉」の巨大化は無しで手に入れただけで終わり。オリキャラの雷も因縁あるボスが出てきたりはするが、ほとんど掘り下げられずに終わるのが寂しい。
竜神の玉を手に入れた後は鬼丸のところに直行して最終決戦!
倒してハッピーエンド……なんだけど、まだ鬼丸が生きてそうな含みを持たせて終わるという、いかにも全部やれないキャラゲーらしい終わり方だった。
クリアまでは8~10時間くらいかな?
ボスの豊富さは長所だし、BGMもカッコ良く、無限湧きするザコを必殺技で延々と倒してレベル上げする原始的な楽しさもある。
スーパーファミコンのキャラゲーと考えると極端に悪いゲームではないんだが、単調さとバランスの悪さで、頑張ってる内容とも言い辛い……くらいの面白さかな!ヤイバ好きだったのに昔遊んだ時にクリアしてない理由分かった!
素直に横スクロールのアクションで良かったと思うんだが、同時発売だったゲームボーイ版がそっちだったので差別化したのかも。
『真・侍伝 YAIBA』のゲーム化もお待ちしています!今の技術で玉を使い分ける3Dアクションにしたら絶対面白いからさ!