『ハイパー・ユーフォリア』のレビュー行くぜ!
Switch版は夏発売予定なので、俺がプレイしたのはSteam版だ。
パブリッシャー:わくわくゲームズ
機種:Switch/PC
ジャンル:コマンド選択型アドベンチャーゲーム
発売日:2026/5/22
価格:1500円
備考:Switch版は2026年夏予定
キャット・ホイ商事合同会社が手掛けるアドベンチャーゲーム。
「超念動力」を持つ探偵2人が殺人事件に挑み、ついでにあちこちで食べ歩きをするストーリーだ。
80年代後半のパソコンゲームを意識したビジュアル構成で、「サイケデリック広島旅情百合サスペンスホラー奇譚」なるふざけた売り文句を引っ提げて登場!
BGMが坂本慎一/細江慎治/佐宗綾子とベテラン揃い。
キャラや設定面は面白いしビジュアルも拘ってるんだが、かなり人は選ぶなぁ……という内容でした!
ちなみに俺は80年代後半のパソコンゲームはまったく分からず、ファミコンの推理ADVは色々やってたくらいの立ち位置である。
『少年アシベ ネパール大冒険の巻』いいよな。『殺意の階層 ソフトハウス連続殺人事件』ムズ過ぎない?

日本の埼玉県H市水郷公園に突如現れた爆散死体!
これを「超念動力」による殺人だと断定した地元警察は、
「超力神探」(「超念動力」を持つ探偵)である二人の少女に調査を依頼したのであった。
捜査の舞台は埼玉県から山口県、そして広島県へと移り、少女たちが最後に見るものは果たして・・・!
というあらすじ。
「超念動力」を持った人間があちこちにいる世界観。主人公である天堂真由架と土神エリザベスの2人も持っているが、かなりショボい能力なのでD判定のポンコツ扱いされている。能力抜きにしても探偵として結構ポンコツである!

ノリノリのBGMと共に売り文句がドン!と立て続けに表示されるオープニングがテンションは高いぜ!

ゲームは昔ながらの一本道のコマンド式アドベンチャーだが、難易度は非常に低く、表示されたコマンドを数回選べばポンポンと進んでいく。
オプションでは画面に乗る走査線を調整出来たり、フォントを2種類から選べたり、画面切り替え時にFDDからデータを読み込むような効果音を鳴らすか選べたり……雰囲気に拘った作りになってる。

引っ込み思案で抜けてる天堂真由架と、強引で面倒事を真由架にぶん投げる土神エリザベスの凸凹コンビ。

それに人間の言葉が分かる飼い猫のオスカーを加え、あーだこーだと言い合いながらの賑やかな珍道中だ。警察からの依頼、暗躍するヤクザ、死体の謎、こちらに危害を加える超念動力者の登場などなど。様々な要素が絡みながらゲームは進行していく。

キャラの掛け合いでグイグイ引っ張る楽しい作りで、色々(免停を喰らうなど)あって警察が嫌いな土神の口の悪さも笑える。警察からの依頼でお金が入ったので「血税の札束がラインダンスして私たちを待ってるわよ!」とか。
節々で活躍するオスカーもツッコミ役として存在感あっていい。

百合を名乗っているが「そこまでやってんのか!」って描写を突っ込んでくるのは驚き。直接的なシーンは無いものの、昼と夜の関係性を匂わせるテキストが色々。
ゲームは天堂の視点で進むんだが「見る」コマンドで土神を見て「私を見てる場合じゃないでしょ」みたいなセリフ言われる箇所とバリエーション多いのは地味に好きだな。
天堂はいつも土神を見ているのだッ!

ただ、探偵モノ、推理モノ、超能力モノとしての要素は薄く、調査の合間に飯を食うシーンがメインと言っていい構成だ。2人+1匹の掛け合いが基本で他のキャラがあまり会話に入ってこない……というかサスペンスホラーの割に他のキャラ自体がほとんどいない構成なので、掛け合い自体は悪くないんだけど展開が一本調子に感じる。
このせいもあって事件後のエピソードを描く後日談は結構ダレた。

埼玉からスタートしてあちこち行くシナリオで、実在の場所やお店をベースにした描写もあるのが魅力だが、色数を押さえた背景と旅情要素の相性が悪くて勿体ない。80年代後半のPCソフト的なこだわりなのは分かるけど、背景に何が映ってるのかよく分からんぞ!

クリアまで2~3時間ほど。
たまによくある「最後に続編にぶん投げて終わる新規ADV」ではなく、事件はきっちり解決した上でシリーズ化も想定した作りで安心。
飯食って駄弁ってたまに百合と死体が飛び出すシナリオを楽しむ一本道ADVで、「次から次へと襲いかかるノンストップMAX264km/h展開」と謳っている割にはダラダラしてる!
現代風に難易度が低いのは良いがコマンドで調べられる場所が少なく、あちこち調べる楽しみが薄いのも気になった点だ。
雰囲気やBGMは良く、時折挟まる一枚絵も含めてキャラ自体は魅力的に掛けてると思う。
嫌いじゃないし俺は楽しめたけど、定価も1500円ということもあってオススメはし辛い1本でした!