絶対SIMPLE主義

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PS1「SIMPLE1500 THE ダーツ」レビュー!まさかのアメコミゲー?!ニンジャ!カンフー!

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SIMPLE1500シリーズ Vol.55 THEダーツ D3公式

2001年の2月1日に1500円で発売されたSIMPLE1500シリーズTHEダーツのレビュー行くぜ!

現在はゲームアーカイブスで309円という改造人間もびっくりの価格で販売中だ。

開発はアメディオ。

当時テレ朝の深夜に放送してた才能発掘番組「D's Garage21」で

SIMPLEシリーズの企画を募集するというコーナーがあり、そこから生まれた作品の1つだ。

メーカー名と一緒にクレジットされている埼玉県の戸塚隆夫さんが番組に応募した人で、

スタッフロールによるとキャラデザとプランニング担当ということになっていたぞ。

内容はタイトル通りダーツをテレビゲーム化したものだ。

意外とテレビゲーム化は少ないよねダーツ。

収録ルールは301、501、1001、スコアアップ、クリケット、ラウンド・ザ・クロック、チェイスの7種類。

選択したルールによって制限時間やダーツの本数、

スタートナンバーなどもカスタマイズ可能となっている。

モードはストーリーモードとVSモードの2種類で4人対戦にも対応しているぞ。

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こちらがゲーム画面です。これ以上ないくらいのTHEダーツっぷり!

操作は方向キーを使ったデジタル操作AB。

アナログスティックを使ったアナログ操作ABの合計4種類が用意されている。

デフォルトだとアナログ操作Aね。

デジタル操作にしたければコントローラーをデジタルモードに切り替える必要がある。

アナログ操作はまずスティックで狙いをつけて○ボタン。

○ボタンを押してる間に照準が暴れまわるので、

スティック操作で照準を上手く押さえ込み、狙いたい場所のところに来たら○ボタンを離すと投擲!

Aは照準が円を描くように暴れ回る。Bだと不規則に暴れまわる。

デジタル操作は方向キーで狙いをつけて○ボタン。

狙った場所を中心に円形、あるいは棒状の図形が動き回るのでもう一度○ボタン。

図形の動きが止まり、その上を照準が動くので狙いたい場所のところで○ボタンを離すと投擲!

Aは図形が円形、Bは図形が棒状だ。

簡単に言うと目押し重視のデジタル操作と、

目押し+スティックの微妙な力加減が重要なアナログ操作ってところかな。

最初に狙った場所が高得点だと照準の動きが激しくなって難易度が上がるので、

慣れないうちはほどほどの場所を狙おう。

面白いのは断然アナログ操作のA。

ボードの判定が結構シビアなので最初は苦戦するが、

照準の動きを微妙なスティック捌きで押さえ込み、ここぞというタイミングで投擲するのが実に面白い。

「照準は狙った場所を中心に円を描くように動くから、最初にこの位置を狙うと当てやすいな」

とか動きが読めるようになってくるとグッと楽しくなってくる。

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慣れて来るとこのように60点(一番高い点数)を連発することも夢じゃないぜ!

まあこれは一番調子のいい時の画像ですが!

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また、ゲーム開始前には毎回この用に簡単なルール説明が表示されるので

俺みたいにダーツが分からない人でも安心してプレイ出来る。

VSモードではルールのカスタマイズも可能だが、

なんと設定したルールにあわせて表示された説明文がリアルタイムで変化。

例えば上の画像では「交互に3本ずつダーツをなげます」となっているが、

投げるダーツ本数を2本に変えると「交互に2本ずつダーツをなげます」にその場で書き変わる。

非常に分かりやすい!

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とはいえ、内容はダーツ。

1人プレイだとすぐ飽きちゃうんじゃないか?という人にハイ出ましたストーリーモード!

SIMPLEシリーズ全体を通しても非常に珍しいアメコミ風のタッチで展開するぜ。

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内容は悪の組織ブルによって「ダーツマン」に改造された主人公のレッドが

次々にやってくる怪人を倒しながら、入院している妹の手術台を稼ぐために賭けダーツもやる!という内容だ。

どういうノリだよ?!

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出たな!ブルの改造人間!ダーツマンに変身して迎え撃て!

もちろん勝負内容は普通にダーツをするだけ!

え?必殺技?ダーツに必殺技とか無いでしょ……何言ってんの……。

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こちらがストーリーモードの舞台となるボードタウン。

ダーツのボードの形をしていてド真ん中にダーツの形をしたビルが立っているという、

最終決戦の場所がクソ分かりやすいマップだが気にしないように。

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バーで辛気臭い顔をした連中相手に賭けダーツをしてお金を稼ぐ。

病院に言って手術費用を払ったり、ショップで妹へのプレゼントを買って元気付けたりする。

ある程度お金を稼いで最初のバーに戻ると

敵の改造人間が襲ってくるイベントが発生するのでやっつけるとメインストーリーが進行。

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基本的にこの繰り返しで進む。

敵をすべて倒し、妹の手術費用をすべて支払うと最終決戦が始まるのだ。

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フルーツ屋の店員がバナナ食いながら接客してるのが大分気になりましたね……。

敵の改造人間も個性的な連中ばかり。

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カンフー・ダーツ!

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ニンジャ・ダーツ!

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ゴリラ……。

もちろんすべて勝負内容はダーツ。

みんな正々堂々と普通にダーツをやってくれるのだ!ダーツ愛に溢れた悪党ばかり!

ニンジャ・ダーツはダーツじゃなくてクナイを投げるとかそのくらいの違いしかない。

色んな意味で斬新過ぎる……。

ちなみにダーツ勝負で負けた怪人は燃えて死にます。

登場人物が大真面目で、基本シリアスなのがバカっぽさに拍車をかける。

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ダーツマンとニンジャ・ダーツが、ボードを前にシルエットで会話するこのカットが好き。

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あとエレベーターを使う時の妙な間。

BGMはしっとりした雰囲気の曲なんだけど、

ボス戦はBGMがすべて違うし、ニンジャが相手だとちゃんと和風だったりとなかなかの凝りっぷり。

曲自体もなかなかいいのだ。

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しかしこのストーリーモード。

手術費用とプレゼントを買い揃えるにかなり金が掛かるので作業感が強い。

1回投げるだけの勝負を挑んでくる「上品なマダム」が稼ぎやすいので、

ひたすら悶絶マダム責めを繰り返す日々となる。

バーでの対戦相手は特にセリフも無いし単調だ。

妹へプレゼントはして元気付けることは出来るが、看護婦さんから経過報告を聞くだけ。

渡したプレゼントに対する反応や会話は出来ない。

CPUの強さも問題で、

プレイヤーがリードしてると異常に精密な動きをしてくるのに、

逆にプレイヤーが負けてると手抜きか!ってくらいアホな動きをする。

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これが分かりやすいかな。ラスボス戦の画像なんだが、

プレイヤーが負けてる時は18点、3点、3点。しかしプレイヤーが得点を抜いた途端60点、51点!

どの敵も遊んでいてすぐ分かるレベルでこれやってくるので理不尽さが強い。

ボス戦で負けたら即ゲームオーバーでラスボス戦は2連戦。

ゲームオーバーになるとタイトル画面に戻される上にラスボスはかなり強いため

負けるたびにラスボス戦前の長い会話もすべて見ないといけない面倒くささだ。

ストーリーモードもVSモードもCPUの難易度設定は不可能。

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どけ、俺の歩く道だ!

操作方法は慣れるまで苦労するが単純ながら練られてると思うしキャラも濃くて楽しい。

アメコミ風のイラストは凄く上手いわけじゃないがイイ味が出てるし枚数が非常に多い。

ダーツ知らない人でも遊びやすい仕様も二重丸。

気合を感じる内容なだけにCPUの動きや作業要素などが惜しい1本だった。

とはいえ貴重なダーツのゲームで今なら309円でアメコミ付き。

THE剣道に勝るとも劣らないバカゲーだ。

SIMPLE1500の中では面白い部類のソフトだしやってみる価値はあるぞ。

キミも変身だ!