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VITA「夜廻」レビュー!心細く、恐ろしく、頼りない夜の物語!ゲームとしては…微妙!

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夜廻 公式WEBサイト

夜廻のレビュー行くぜ!

日本一ソフトウェアから2015年の10月29日に6458円で発売されたホラーアクションゲームだ。

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主人公は小さな女の子。

散歩中に飼い犬がいなくなってしまい、探しに出たお姉ちゃんも帰ってこない。

しかたなく犬とお姉ちゃんを探しに夜の街に出かけるが、

そこには見たことも無いお化けと暗闇が支配する世界が待っていた……!というようなゲーム。

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上から見下ろした視点で進む2Dのゲームで、懐中電灯の灯りを頼りに街を探索する。

次の目的地は軽くヒントが出るのでそれに従っていく。

夜の街はなぜか魑魅魍魎で溢れているので、そいつらに触れないように逃げながら進むのだ。

触れてしまったら一発ゲームオーバーで最後にセーブした場所まで戻される。

お化けは懐中電灯の光に反応するヤツや、こちらが走る音に反応するヤツなど特徴があるので、

そこら辺を死に覚えながら立ち回るのだ。

街にはお地蔵さんがいて、

あちこちに落ちてる10円玉をお供えすると中間セーブ可能。死んでもそこから再開できる。

更に、一度調べたお地蔵さんは別のお地蔵さんを経由することでワープが可能になる。

多機能な地蔵である。

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街には色々な収集アイテムが落ちていて、

拾ったものは女の子の感想つきで見ることが出来る。

基本的にゲーム進行とは関係ないが、結構バラエティ豊かで面白いし、

手に入れると自室に置かれていくアイテムもあったりするので集めたくなるね。

人骨とか明らかに部屋に置いたら問題ありそうなアイテムが置かれたりするから主人公こわい。

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敵を避けて先に進む!触ると一発死!

という単純なゲームだが、2Dで細かく描かれた夜の街は絶品。

苔むした道に錆の浮いた建物。

チカチカと点滅する自動販売機、寂れた商店街、薄暗い神社、朽ち果てた工場などを

心細い懐中電灯の灯りだけで息を潜めて進んでいく。

基本的に音楽は無く、虫の声や心臓の鼓動音だけ。

この雰囲気本当にイイ。

マップはそれなりに広く、

メインシナリオを追うだけなら絶対通らない場所にも謎めいた場所があったり、

収集アイテムが落ちてたりする。なかなかの作りこみ。

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突然電話が鳴るとか、いきなり腕が飛び出してくるとか、

ランダムでホラー演出が挟まるのも面白いね。

地味にバリエーションが豊富で、風で飛ばされて舞うだけのビニール袋とか、

別に怖くないようなものもあったりするのがむしろ怖い。

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マップも手書き風だったりと細かいところまで凝った作りだぜ。

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そんな雰囲気は最高なゲームだがバランスは微妙。

「触れると一撃死」なのに出現と同時に突進してくるお化けや、

懐中電灯を当てないと見えないのに沢山出てくるお化けなど

初見殺しで変に難易度が高い箇所が多く、お化けの数もどんどん増えてくるので

途中から怖さよりもやり直しの面倒さ、鬱陶しさの方が強くなってくる。

もういい、ショットガンかチェーンソーを寄こせと言いたくなる。

分かってても避けるのが大変なくらいギリギリの配置もあったり。

アイテムを取った後に死んで中間ポイントまで戻されても、

ちゃんとアイテムを所持した状態なのは良いんだけどね。

アクション部分はもっと凝るか、

いっそ無くしてADVとして割り切った作りにするかどっちかにするべきだったと思う。

現状ではどっちつかず。

どのお化けも「触った瞬間に画面が血に染まって終わり」で統一されているのも物足りない。

別に女の子に多種多様な死に様を用意しろとは言わないが、手抜きっぽくてねぇ。

もっと違った演出が欲しいとこだった。

悲鳴と怖い目のアップで終わりとか、画面を切り裂くようなエフェクトが出て終わりとかさ。

そのくらいでも差別化するだけで印象は全然違ったと思う。

そもそもどういう危害を加えてくるのかよく分からんお化けも多かったし。

ストーリーもホラーだからって解釈をプレイヤーに委ねすぎだろ!

って勢いでほとんどの要素に説明が無いので消化不良だ。最後のアレとかなんだったんだ。

建物内部を探索する場面がほぼ無いのも一貫性あるというか、物足りないというか……。

クリアまで5時間掛からないくらいで終わってしまい、

後は収集物集めくらいなので6000円超えはどうしても高く感じてしまうぜ。

いや、面白いのにプレイ時間の水増しみたいな要素を突っ込みまくって

グダグダになったゲームを何本も見てきたので、

あんまり価格に対してボリュームが少ないって言い方はしたくないし、

マップを作りこんでいるのもわかるんだが、それにしても6000円超えは強気だなって。

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夜の街の雰囲気と描き込みは素晴らしくて

このゲームならではの個性と言えるが、それ以外はちょっと微妙なデキだ。

でも間違いなく刺さる人には刺さる1本ではあるので、

公式を見てピンと来たら夜の街を歩いてみてもいいと思うぜ。