BLASTING AGENT ULTIMATE EDITION | ニンテンドー3DS | 任天堂
BLASTING AGENT ULTIMATE EDITIONのレビュー行くぜ！
メーカー：レイニーフロッグ
機種：3DSダウンロード専用ソフト
ジャンル：アクション
発売日：2017年3月29日
価格：500円(税込)
レイニーフロッグがローカライズするドット絵の2Dアクションシューティングだ。
steamでも配信されているし海外ではWiiUでも出ている。
アクションゲームとしてはオーソドックスな作りだが、
チマチマしていて作りの雑さが目立つしやり込み要素もハンパ。
そして難易度ハードは完全にゲームバランスが破綻していて血管が切れそうになったわ！
主人公のブラスティング・エージェントを操作して
世界征服を企む国際秘密結社「ナイトメア」の陰謀を阻止するストーリー。
難易度はイージーとハードが選択可能で、雪山や基地などの全6ステージが待ち受ける。
ジャンプとショットでバリバリ敵を倒しながら進む古典的な2Dアクション。
最初は石でも投げた方がマシなんじゃないかと思うくらいショットが弱いが、
ステージ内に存在するパワーアップアイテムを取ることで弾数や射程が強化されていく作りだ。
また、難易度イージーでステージ内に点在する金塊を90%以上回収した上で、
登場するザコ敵を90%以上倒してクリアするとニューアイテムゲット。
2段ジャンプやバリア、空中ダッシュなど新しいアクションが使用可能になる。
全6ステージなので6つある。
難易度ハードでは回収率と撃破率を100%にすることでコスチュームが手に入るが、
こちらはキャラ性能は変化しないので完全にお遊び要素ね。
そんなゲームなんだが初期状態の射程が短すぎて遊んでてややストレス溜まるし、
最高まで強くしてもそこまで射程が長くならないので爽快感が薄い。
ショットボタンを押しっぱなしにすることで弾を撃つ方向を固定できるので、
単に撃ちまくるのではなく、
地形の凹凸やショットガンのような弾の軌道を考えた立ち回りをさせたいのかなと思うんだけど、
ザコ敵は単に突っ込んでくるだけだし、ボス戦は回復アイテムが出まくるので楽勝。
やっぱり適当に撃ちまくるだけでクリア出来てしまう。
死んでも直前のチェックポイントからすぐ再開出来るのでカンタン。
パワーアップするために撃破率を90%以上にしないといけないと書いたが、
ザコ敵が歩き回ってこちらの弾の届かない落とし穴や溶岩の中に入ることが頻発。
こうなると部屋を入り直して敵配置をリセットしないとダメ。
ステージには行かなくてもクリア出来るアイテム部屋があったりと、
ある程度の分岐はあるもののステージそのものが狭いため、
全ステージでパーフェクト目指しても難易度イージーだと2時間掛からずに遊びつくせてしまう。
懐かしのドット絵をウリにしてるけどあんまり懐かしいって感じではないし、
ボスなんかは単純にショボいだけに見えてしまうな……。
そこで立ち上がってくるのが難易度ハードだがこれが酷い。
敵の速度と耐久度を何も考えずにバカみたいに跳ね上げただけの難易度で、
エージェントを使うと物理的にクリア不可能ではとしか思えない。
数秒間ショットを打ち続けないと倒せない固さのザコ敵が山ほど高速で体当たりし続けてくる。
逃げようにも逃げられない。
攻撃を受けてふっ飛んだところにまた攻撃を喰らって吹っ飛んで……の繰り返し。
こんなのどうやってクリアしろってんだよ！
難易度イージーをパーフェクトでクリアして
6つの新アクションを全部集めてから難易度ハードに挑む構成かと思いきや、
全部持っていても戦いにならない！
しかしご安心を。
難易度イージーでクリアすると隠しキャラである武術の達人「スティング」が使えるようになるのだ。
銃は使えないが攻撃ボタンを連打すると無敵のパンチ攻撃を繰り出せる壊れ性能。
方向キーと攻撃ボタンの組み合わせで空中を高速で移動できるライダーキックや、
これまた無敵時間のあるサマーソルトキックなども使用可能。
スティングを使ってやっとゲームになる。
……いやゲームになってねーよ！
ザコのラッシュを無敵攻撃でゴリ押し出来るから先に進めるってだけだよ！
ボスもほぼ全部これでクリアしなきゃいけない。
最悪なのがラスボスで攻略方法は
「ラスボスに重なって死ぬ勢いでボタン連打して無敵パンチでゴリ押す」なんだけど、
処理が重くなってパンチが途中で途切れる症状が発生することがある。
この症状が発生したらステージの最初からやり直さないとクリア不可能。
ラスボスが左右に移動しながら回避できない角度で弾を乱射してくるので、
処理落ちで無敵パンチのゴリ押しが出来ないとなすすべもなく殺される。
気付かなくて3時間くらい戦い続けたよ……。まさにナイトメア。
処理落ちが無い時でもラスボスは体力がめちゃくちゃ多いので、
マジで血管切れそうな勢いでボタンを連打し続けないといけない。
最近YouTubeでおもちゃにされてる高橋名人を呼びたくなる。
苦労して倒した後のエンディングメッセージで俺は静かにキレた。
難易度イージーだけならまあ、500円という値段を考慮してもすぐ終わっちゃうし、
このゲームならではの要素というのも見えないし、雰囲気も微妙だけど、
アクションゲームとして破綻はしてないからそんなに面白くは無いけどつまらなくもない。
ボスも強制スクロールで破壊可能なブロックで出来た階段を上りながら戦うとか、
ハシゴ代わりのワープレーザーを利用して攻撃を避けつつ戦うとか、
ステージのギミックを活かして毎回違った構成にしているところは評価出来る。
BGMも悪くない。
でも難易度ハードまで遊ぶと
「こういうローカライズ作品は税関で止めろ」という声が口ではなく心から飛び出す！
高速で画面内を飛び回れるスティングの機動性自体はなかなか楽しいんだけど
ゲームがゲームなので活かせてないぜ。
調べてみると元々は無料のフラッシュゲームとして何年も前に発表された作品みたいで、
それなら納得なんだけど3DSに500円で移植となると厳しい評価をせざるを得ない……。
辛い戦いだった！
