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PS4/Switch「ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ」レビュー!あまりにお粗末な神宮寺シリーズ新章!まともなセーブすら出来ない!

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ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ | ARC SYSTEM WORKS

 

3周してフルコンプしたので、

『ダイダロス:ジ・アウェイクニング・オブ・ゴールデンジャズ』のレビュー行くぜ!

 


メーカー:アークシステムワークス

機種:PS4/Switch専用ソフト

ジャンル:推理アドベンチャー

発売日:2018/12/13

価格(税込):7549円


 

昨年30周年を迎えた歴史ある探偵ADV『探偵 神宮寺三郎』の新章。

歌舞伎町に事務所を構える渋いおっさん探偵が主人公のシリーズだったが、

今回はアメリカを舞台に神宮寺三郎がまだ未成年だった時代を描いており、

タイトルにキャラデザ、声優も一新して一気にフレッシュな雰囲気になっている。

 

シリーズ屈指の人気作である『夢の終わりに』の前日譚という位置づけでもあり、

開発はネイロが担当だ。

 

神宮寺は好きなシリーズだったので新たな試みとしてかなり楽しみだったんだが、

シリーズ云々を抜きにして純粋にADVとして全然ダメな内容で本当に悲しかった。

 

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ニューヨークの名探偵として愛されていた「神宮寺京助」が何者かに殺された。

その孫である「神宮寺三郎」は敬愛する祖父の死を探るために渡米する。

ニューヨークではかつての親友との再会、

そして祖父を知る様々な人々との出会いが彼を待っており、

その中で三郎は成長し真実に迫っていく……というストーリーだ。

「探偵 神宮寺三郎」が探偵になる前の物語。

 

ちなみに祖父の死の謎が分からないまま

次回作に続いたりはしないので安心してもらいたい!(新規ADVにありがち)。

 

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ゲームとしてはオーソドックスな昔ながらのADV。

行ける場所に移動して、あちこち調べて情報を集めて真相に迫っていく。

選択肢などもあるが、終盤を除けば完全な一本道の内容。

 

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特徴的なのが実写加工の背景を使った360度ビュー。

会話している最中でもスティックでグリグリと視点を動かして

自分の真後ろや空、地面を見ることが出来る。

 

VRっぽい表現で3Dのゲームならよくあるが、2DのADVでこれはなかなか珍しい。

テーブルを囲んで食事をしているシーンや、

車を運転しているシーンは臨場感があるし、

ちょっとした場面でも奥行きが感じられて非常に気に入っているぜ。

チャプター2の「ヒイズルトコロ」の空気感は特に素晴らしかったし、

神宮寺探偵事務所の前でぐるりと回りを見回して

「事務所はこういうところにあるのかー!」とかやるのも楽しい。

 

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ニューヨークの街を巡る雰囲気作りも見事で、ハズレ無しのBGMも含めて浸れるぜ。

キャラデザと声優も文句無し。

数十人のキャラが登場するがみんな良いデザインだし、

全員にLive2Dで動きを付けてあるのがなかなか凝ってる。

 

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しかし、ADVとしての完成度があまりにも低い。

まず何といってもセーブの仕様がひどい。

 

1周に作れるセーブデータは1つだけ。

任意にセーブすることが出来ず、オートセーブを強制させられる。

なので、選択肢を間違えてやり直したり、

進行に合わせて複数のセーブデータを作っておくことが不可能。

そしてチャプターセレクトやスキップ機能の類は一切ない。

 

選択肢を間違えて真エンドに辿り着けなかったら、

スキップ無しでゲーム最初からのやり直しだ!

選択肢によっては一発ゲームオーバーになることもあるが、

一応、この時だけはすぐに直前からやり直せる。

 

最後以外はストーリー分岐や寄り道要素が無いから繰り返しプレイがしんどいし、

真エンドに辿り着くための選択肢も割とシビアで

「ここ間違えたらダメなの?」ってなる。

 

2018年にこの仕様で出すのはさすがに正気を疑うぜ……。

緊張感とただのストレスをはき違えている。

あえてやらないとこんな仕様にはならないので、

これを面白いと思って実装するスタッフがいて、

それを止める体制が出来ていないという事実がつらい。

1周が7~8時間くらいで終わっちゃうのでボリュームを水増そうとしたのだろうか。

 

画面切り替えや場所移動での選択肢確認など、

細かいところでも微妙なテンポの悪さを感じる。

 

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また、ウリにしている新システムも、

相手に合わせて感情を変える「スタンスチェンジ」はただの選択肢だし、

情報が集まっていく流れを木と枝になぞらえた「思考の樹」はただの情報メモ。

 

よくあるシステムでも見せ方を変えることで面白くなることはあるので、

これ自体は悪いことではないんだが、

それでいて過去の神宮寺三郎シリーズにあった

TPSやザッピングやフローチャートなども無いし、

探索で調べられる場所も少ないし、

寄り道でイベントがあったりもしないしで、ADVとしては大分物足りない。

 

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360度ビューが良いと書いたが、演出があまりにもそれに頼り過ぎ。

一枚絵がまったく存在しないからここぞという場面で迫力不足だし、

ほとんどが引いた視点で画面の変化に乏しいため、

遊んでいて何が起こったのかよく分からない箇所が多数。

人が死ぬシーンでろくなテキスト描写も無いまま

そのキャラの立ち絵だけが画面から消えるので意味不明なシーンがあったりと、

とにかく見せ方がヘタで状況を把握し辛い。

 

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肝心のストーリーそのものも大分ひどい。

キャラクターの描写が薄い上に色々と投げっぱなしで進むので、

「このキャラ主人公とそんなに深い関係だっけ?」「描写抜けてない?」

「このキャラこれで終わり?!」「あのエピソードなんだったの?!」

ってのがめちゃくちゃ多くて全然話に入り込めなかった……。

 

基本的に「さっき出て来たばかりの人が大変なことに!」を繰り返す構成な上に、

真相から逆算した最短ルートだけを繋ぎ合わせたような展開で、

あまりにも都合よく証拠品や証人がポンポンと出てくる。

それでもキャラとの掛け合いとか見せ場が多いならともかく描写が薄いのでな……。

まだまだ若くて未熟な神宮寺三郎が成長していく流れが全然書けてない。

真相も伏線はあったものの、やはり描写の薄さでしっくりこなかった。

 

チュートリアルのチャプター0が過去の回想で、

次のチャプター1がまた少年時代の回想という構成も良くない気がする。

またチャプター1が細かい場所移動を強制させられる上に、

モヤッとする描写満載のよく分からん話だから……。

 

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事務所を拠点にしての調査で「街」のことを徐々に知りながら、

情報の欠片を拾って真相につなげていくチャプター2は

神宮寺三郎シリーズらしさがありつつも新鮮で良かった。

 

最初しか出番がないけど情報を集める中で人柄が伝わってくる神宮寺京助や、

子供の頃はただのクソガキだったベンが、

現在だと面影を残しつつもしっかり大人になってたり、

マイペースで喋り方が微妙にオネエっぽいハル刑事との会話も好きなところ。

 

とはいえ、全体的に描写が薄いのに登場キャラがやたら多いから、

みんな出番が中途半端で全然活かしきれてないんだよな……。

 

御苑洋子はデザインもツンツンした性格も可愛いんだけど、

出番が少なすぎるので「今と違う若々しい言動が新鮮!」というより

「本当にこれがあの洋子くんになるのか……?」ってなっちゃう。

 

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あと、これはややネタバレかもしれないんだが、

終盤のある重要な場所を調べる時に

「そういえばあいつは真実を隠すなら闇の中って言っていた!」

という唐突な新情報が同行者から入り、

目の前に「Thomas Dark」というポスターが貼られた鍵の無いロッカーがあり、

「Dark……もしかして!」でその中に本当に証拠品が入っている……。

という流れを数分でやった時は、

「それはひょっとしてギャグで言っているのか?!」ってなったわ。

トンチキな流れが多いゲームなんだがこれは極めつけだった。

 

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また、本作は『夢の終わりに』の前日譚と銘打たれ、

限定版にはそのカレンダーまで付ける推しっぷりだったが……。

この話『夢の終わりに』と全然関係ないじゃん!?

『夢の終わりに』で軽く描かれてた過去話にかすりもしないじゃん!?

 

ついでに言うとなんで『ダイダロス』なんてタイトルにしたんだよ!?

 

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ファンならとか、シリーズ未経験者ならとか、そういう話ではなく、

ADVとしてストレートにオススメ出来ないと言うしかない完成度だ……。

本編と平行して展開する新たなシリーズとして生まれた新章の一発目が、

こんな寝タバコで新築の家が全焼したような完成度なのは本当につらさしかない。

良い部分が無いわけではないんだがさすがにこれは。

 

PS4/Switch『探偵 神宮寺三郎 プリズム・オブ・アイズ』レビュー!探偵は今も新宿に居る!大ボリュームで送る短編集! - 絶対SIMPLE主義

 

これからシリーズに触れるなら、素直に過去作詰め合わせの

『探偵神宮寺三郎 プリズム・オブ・アイズ』をオススメします……。