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腰にフンドシ!手から水流!江戸の空を舞うニューヒーロー!出オチながら侮れない『Otokomizu~漢水~』レビュー!【Switch】

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Nintendo Switch|ダウンロード購入|Otokomizu~漢水~

 

全ステージクリアしたので『Otokomizu~漢水~』のレビュー行くぜ!

 


メーカー:BIG BOYS STUDIO

機種:Switch

ジャンル:アクションゲーム

発売日:2019/10/31

価格(税込):980円


 

今年2月にSteamで発売されたタイトルのNintendo Switch版だ。

移植に辺り、ゲームバランスやステージ構成にかなり手が入っている模様。

内容はフンドシ一丁の男が両手両足から水を噴射して飛び、

忍者と戦いながら消火活動をするという狙いに狙ったバカゲーだ!

 

非常にクセがある操作形態になっていて、

近年多くなった不自由な操作性とシュールさを楽しむタイプのゲームとなっているぞ。

 

ちなみに純国産のゲーム。

2018年の東京ゲームショウで体験プレイした時に制作スタッフの方から

「まずはSteamで出して売れたらコンシューマで」という話を聞き、

面白いけどムリでは……と思っていたら、マジで実現させたのですごい漢たちだ。

俺には漢を見る目が無かった!

なので、Switch移植は割と感慨深いね。しかもCERO全年齢。

 

操作のコツを掴んでくるとなかなか面白くなってくるし、

ゲームバランスも考えられてるのが伝わってくる。侮れない漢水だったぜ。

 

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内容は江戸の町を舞台にしたステージクリア式のアクションゲームだ。

次々に燃えていく建物を消化していく。

制限時間がゼロになるまでに、建物が規定数燃え尽きなければステージクリアだ。

画面右上にはリミットとなる軒数が表示されている。

上の画像ならば5軒が燃え尽きた時点でゲームオーバーというわけね。

逆に言うと4軒が燃え尽きても時間がゼロになればクリアだ。

 

建物は大量にあり、火を消しても時間経過であちこちから火の手が上がって行くので、

次から次へと走り回ることになるぞ。

 

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主人公は普通に歩いたりは出来ない!

両手両足から水を噴射することが可能で、L/R/ZL/ZRボタンが手足に対応している。

これを活用して水の力で空を飛び、炎に水を浴びせて消化するのだ!

 

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真顔で両手両足から水を噴射し、アイアンマンのように空を飛ぶフンドシの男!

狙い過ぎ感はあるけどこのビジュアルインパクトはやはり強い……。

水の力を纏っているので体は濡れてテッカテカだぜ!

どの部位から水を出すかを調整して、上手く飛行&消化をする必要があるぞ。

慣れないうちは変な方向にすっ飛んだりして、火を消すのも一苦労。

 

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また、ABXYボタンで4つの「構え」を切り替えることが可能。

構えによって水の向きや勢いが大きく変化するので、

攻略には様々な構えを使いこなすことが必須となっている。

 

この膝立ちで両手を前に突き出した「鶴の構え」は、

正面に水を打てるので消化がしやすいし、

足からの噴射でホバー移動のような動きをするので地上戦に有効。

 

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ブリッジ状態の「城の構え」は空中でゆっくり飛ぶのに向いてるし、

両手両足をピンと張った「十字の構え」は四方をカバー。

 

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どこかで見たような「波の構え」は、物凄くどこかで見た感じで水を打ちます!

 

構えはメニュー画面の「構えカスタム」で自由に入れ替えられるし、

ステージに点在する水魂を集めることで新しい構えを購入できる。

難しいと感じたらステージに合わせた構えを模索してみたり、

同じステージで稼ぎプレイをして、新しい構えを購入してみると新しい道が開けるぜ。

状況に応じて変幻自在の構え、まさに水の如し!

 

構えが割と「こういう水の出し方するの!?」というのが多く、

見た目に反して意外と有用性が高かったり、

逆にまったく使い物にならない構えがあったりで遊んでて笑える。

 

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ちなみに、まだ買ってない構えはこのようにモザイク処理で表示されるぞ。

やめてくれないか!よりにもよってモザイクで隠すのは!

 

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ステージ中では敵である忍者も襲い掛かってくるので、

放水して退治するか逃げるかしなければならないぞ。

まあ、家の火を消す流れ弾で勝手に死ぬ程度の忍者なので下忍かな。

忍者が裸なのは『ウィザードリィ』から続く由緒ある描写なので、

歴史的に見ても正しい。

 

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消火活動で溜まる漢気ゲージがMAXになると「ハイパーモード」も発動可能だ。

一定時間、水の力を全開にし、刀攻撃やビーム、水柱などが使用可能となる。

短距離ワープでの高速移動も可能になり、一気に消化!見えた!水の一滴!

 

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BGMや効果音はフリー素材を使っており、

Youtuberがよく使ってるものが多くてめっちゃ聞き覚えあるし、

途中のデモムービーは無表情のキャラのカクカクした動きが炸裂。

チープさで笑わそうとしてくる狙いまくった作りだな!

 

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100キロ先からでも分かるレベルで出オチ感が溢れる作りになっているものの、

少しずつ操作に慣れ、

江戸の大空を自在に飛べるようになってくるとジワジワと楽しくなってくる。

最初は火元に移動するだけでも四苦八苦するが、

慣れると一直線に火元に突撃し、

素早く構えを切り替えて消火して再び空へ!が感覚で出来るようになってくる。

 

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その調子で地面をドリフトしながら燃えている家に放水をキメたり、

回転放水で四方の忍者と家に水を浴びせたり、

江戸の空を華麗に滑空しながら火元に目を光らせたりしているうちに、

両手両足から水を噴射するフンドシの男が、不思議とカッコ良く見えてくる……!

見た目は強烈だが、江戸の町を救う彼は確かにヒーローなのである!

 

ハイパーモードも家が固まってるステージだと水柱が有効で、

見通しの悪いステージではビームが有効だったり、

ステージによる使い分けが出来てくると消火効率が俄然良くなってくる。

 

消火をするとハイパーモードに必要な漢魂ゲージが溜まっていくと書いたが、

ではハイパーモード中に消火をすると?

その場合は構えを買うための水魂が手に入るようになっているので、

消火に慣れてハイパーモードを使いこなすほど、

稼ぎやすくなるという仕様になっているのだ。ここも考えられている!

 

「不安定なキャラを操作するゲーム」でも、

デキが悪いと本当に操作性の悪さでイラッとするだけで終わっちゃうので、

ステージに合わせた試行錯誤が必要となり、

きちんとプレイヤーの上達が分かる本作はちゃんと練られたゲームだね。

 

オプションでカメラの上下リバース設定と、左右リバース設定も可能。

ただ、現在はバグで左右リバースだけONにならなくなっていて、

今後のアップデートで修正予定とのことだ。

 

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難点はボス戦の難易度。

通常ステージの程良い難易度から一転して、尋常じゃない高難易度。

「そもそもボス戦があるのか?!」って話なんだが、

あるんだわ!炎を操る巨大ボスとの死闘が!

 

動かない家ではなく、動き回る巨大ボスの弱点を、

この操作スタイルで狙い撃たないといけない。

ボスの行動パターン自体は単調なものの、

細かい操作のし辛さを楽しむゲームでこの精度を要求されるのがとにかくキツい。

最初のボスもかなり手強いんだが、

とにかく距離感が掴み辛いラスボス戦も苦しかった。

 

肝心のボス戦でハイパーモードが使えない仕様もストレス溜まるぜ。

そこで使わせてくれよ!

 

冗談抜きにボス戦が通常ステージの30倍くらい難しいので、

この難易度だけでちょっとオススメ出来なくなってしまうかな……。

あまりの難易度に目から赤い漢水が噴射! 

 

ただ、ボスの動きを見極めながら「どの構えでどう動き、どう攻めるか?」

という攻略パターンを構築する流れはしっかり出来ているから、

最適な動きとコツを掴めれば割とすぐに倒せるようになっている。

 

割とマジでキレながらプレイしてたんだが、

終わってみると結構いいゲームだった気がしてくるなぁ。

エンディングを迎えるころには、ボス戦で炎のように煮えていた頭が

水のように穏やかになっていた……。

ラスボス戦の分かりやすい超展開もスケール感が好き。

ムービーじゃなくて自分で操作させてほしいところもあったが。

 

 

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ステージ数はそんなに多くないが、

ボス戦に苦戦して俺はクリアまで6~7時間ほど掛かった。

 

ちょっと難易度が高すぎるところはあったが、

考えられているところはきっちり考えられている侮れない作り。

Steam版は更に理不尽なボス戦があったので調整も割とちゃんとしてるっぽい。

 

L、R、ZL、ZRボタンを全力で使うゲームなので、

ボタンの大きいプロコンじゃないと操作し辛いのは注意が必要だし、

かなり手強いゲームなので強くオススメはしないが、

独特の魅力はあるので興味があれば挑んでもらいたいかな。

 

俺もお前も、男も女も漢水だ!