Nintendo Switch|ダウンロード購入|G-MODEアーカイブス13 臨時終電
『臨時終電』のレビュー行くぜ!
メーカー:ジー・モード
機種:Switch
ジャンル:アドベンチャー
発売日:2020/08/27
価格(税込):500円(Switch)
ガラケーの作品をSwitchに復刻する『G-MODEアーカイブス』第13弾。
2011年に配信されたホラー作品『臨時終電』の移植となっているぞ。
選択肢によってストーリーが分岐するノベルゲームで、
2006年の『千羽鶴』、2007年の『ナイトハイク』に続くシリーズ第三弾だ。
システムなどは引き継いでいるが、
ストーリーは独立してるので本作からでも問題なし。
ストーリーは「臨時終電」という聞き慣れない表記でやってきた謎の電車に、
終電を逃した主人公が迷い込み、
乗り合わせた乗客たちと恐怖の体験をするという内容だ。
深夜の電車は身近な題材ということもあり、今も昔もホラーの定番だね。
□チープさがクセになる!恐怖と懐かしのホラーノベル!『G-MODEアーカイブス11 千羽鶴』レビュー!【Switch】 - 絶対SIMPLE主義
□今度の舞台は夜の山!チープだが味わい深いB級ホラーノヘル『G-MODEアーカイブス12 ナイトハイク』レビュー!【Switch】 - 絶対SIMPLE主義
過去の『千羽鶴』シリーズのレビューはこちら。
『ナイトハイク』から4年開いてるから、当時は久々の新作って感じだったのかな。
Switchにシリーズまとめて移植されたので3作通してプレイしてみたが、
『臨時終電』は現状でのシリーズ最終作だけあって、
シナリオ、システム、演出すべての完成度が高まっていて感動したぜ。
まずフォントの解像度が『ナイトハイク』 と違ってて4年の月日を感じさせる!
主人公は広告代理店に勤める鶴見進。
他の乗客は白いワンピースを着た清楚系ヒロインの会社員である高崎あかり、
失業中でツンツンした態度の小湊幸子、
三流雑誌記者でスクープを狙う南武浩太、口が悪い大学生の吾妻勇二、
辛気臭さがにじみ出てる主婦の烏山めぐみの5名だ。
物語は選択肢によって様々に分岐。ホラーからSF、感動からギャグまで様々。
今回はメインとなる流れが一本あって、そこから派生していく構成だ。
「臨時終電」という名前が付いたこの電車はなんなのか?
登場人物たちはどういう経緯でこの電車に乗ったのか?
ゲームを進めていくと少しずつ分かっていく。
分岐によっては主人公以外の視点で進む「視点乗り換え」パートに入る。
そこで特定の選択肢を選んでフラグを立てて、
主人公の視点に戻ると終盤の展開が変化する構成だ。
選択によっては主人公の視点に戻らず、
そのまま個々のエンディングになることもある。
「視点乗り換え」パートは5人分用意されているから、
メインキャラ1人1人の掘り下げが細かい作り。
そしてメインストーリーの真相に辿り着くには、5人の視点すべてを乗り換えた上で、
メインシナリオに戻れるルートを通る必要がある。
複数の視点を上手く乗り継いで本線に合流し、真相という終点までたどり着く……。
なるほど電車が題材のホラーだなと思わせる構成だぜ。
こう書くと難しそうだが、今回はフローチャートもあるし、
「視点乗り換え」パートの選択肢でフラグが立つと、
画面左上に赤いランプが点灯していくので分かりやすい。
今回はフローチャートもあるから未読の分岐も一目で分かるぜ。
もちろん既読スキップもあるし、セーブスロットも3個+オートセーブ1個だ。
過去作ではあまり機能してなかった、選択肢の度にカードを消費し、
対応したカードが無いと選択肢が選べないシステムだが今回は一味違う。
限られた選択カードで試行錯誤しているうちにどんどん分岐が増えて、
読み進めていくとエンディングリストが埋まり、カード枚数が増えていく。
そして最後はスムーズに真エンディングに辿り着くことが出来る。
という流れを作れているから、過去作からの進歩を感じたなぁ。
過去作に比べると表情の枚数も増えているし、文章の質も高まっている。
何が起こるか分からない謎の電車での恐怖体験の数々に、
ルート分岐によって発生する電波展開や脱力ギャグも見所。
今回はしっかりしたメインルートがあるから、
展開がガラッと変わる別ルートの面白さが引き立つね。
登場人物はみんなキャラ立ってるんだけど、
カッコつけてる時とイキりっぷりの落差が笑える吾妻勇二は
なかなか美味しい立ち回りだったなぁ。
小湊幸子も可愛いし個別エンディングが好みだった。
クリアまでは3~4時間ほど。
携帯アプリのゲームだけあって今回もコンパクトな作りだけど、
シナリオの密度はなかなかのもので引き込まれた。
全体の流れを後半に活かす構成がよく出来てるし、
メインルートは割とご都合主義なところも含めて好きな終わり方。
とりあえず全部の選択肢を選べばOKの『千羽鶴』『ナイトハイク』に比べると、
少し難易度が上がっているが、
ノベルゲームとして間違いなくシリーズ最高傑作だった!
シリーズまとめて移植してくれたおかげで進化が体感できてよかったぜ。
オススメです!