インディーカリプス ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『インディーカリプス』のレビュー行くぜ!
メーカー:JanduSoft
機種:Switch/Steam
ジャンル:ミニゲーム&ADV
発売日:2020/12/17(Switch)2020/05/29(PC)
価格:1500円
3人の若者の視点でインディーゲームデベロッパーの日常を描いたゲーム!
有名インディーゲームをモチーフにしたミニゲームが大量にあったりと、
パロネタやブラックジョーク満載の作風になっているぞ。
題材やミニゲームの凝りっぷりが面白そうだったので買ってみたが、
ひたすら悪意だけの雑な風刺を見せられるストーリーで、
ミニゲームも数だけで面白くないものばかり。しんどさが吹き荒れたわ……。
3人の若者の物語と書かれているが、
基本的にはプログラマーであるジャックの視点で進む。
「これは史上最高のゲームクリエイターのお話である」という、
物凄いフカシこいた導入から始まるぞ。
そして開始2秒でネタにされる小島秀夫!
まあ、インディーゲーム業界だとロックマンとゼルダの伝説と小島秀夫は、
いくら雑に使っても許される風潮があるから……。
会話やアイテム探しでフラグを立てて先へ進んでいく、オーソドックスなADV。
一本道でマップは非常に狭いので迷うことは無い。
ストーリーは学生だったジャックが学校を退学になり、家族と衝突し、
家を飛び出してたくましく生活しながら同じ志の仲間たちと出会っていく。
精一杯綺麗に表現すると、こういうあらすじになるかな!
ジャックは超が付くほどの自分勝手で、出会う連中もクズと気の狂った連中ばかり。
「これインディーゲームとか関係なくない!?」
というハチャメチャかつバイオレンスな展開が続き、
普通に死人も出まくるが登場キャラたちはあんまり気にしない。
そこら辺の通行人までパロネタ満載。
「マインドクラフト」「コジマビデオ」とか多少もじってるんだけど、
「テリー・ボガード」はそのまんまだった。
ちなみに「どう見てもテリー・ボガードなのに自分をドラえもんと思い込んでる」というキャラだ。
ゲーム進行に合わせてミニゲームが挟まる構成で、
いじめっ子から逃げるシーンで『エンザー・ザ・ガンジョン』が、
犬から逃げるシーンで『BIT.TRIP RUNNER』が始まったりする。
ファーストフード店でバイトするシーンでは、
レシートと実際のメニューを比べて、値段が合っていればOK、
間違っていればNGというミニゲームがスタート。
これは入国管理ゲームの『Papers, Please』か!
どんどんルールが追加されてめんどくさくなっていくところも再現。
ミニゲームは様々なジャンルがあり、全部がパロディではないっぽいが、
2Dや3D、アクションからパズルとバラエティ豊かで、
グラフィックの凝りっぷりはなかなかのものだ。
しかし肝心のストーリーがひどい。
行き当たりばったりで悪意に溢れた展開と不快なキャラの登場が延々と続く。
ロックスターはヤク漬けで仲間にまともなギャラを払ってない。
神父は子供を食い物にする。YouTuberも評論家もクソ野郎。
ゲームショーで個人開発者がいくら頑張っても大手メーカーが賞を持っていく。
インディーゲームの枠に収まらず、出したものには漏れなく悪意をぶつけていく!
気の狂った連中の妄言と暴力を延々と見せられてる感じだ……!
勢いで人を殺したり、勢いで死体を有効活用したりするスタイルなので結構グロめ。
笑えねーから!
この主人公に敬愛するクリエイターとして名前に出される小島秀夫。
キレていいぞ!
資金が無くなったので仕方なくクラウドファンディングをするシーンがあるが、
このゲーム、実際にクラウドファンディングやったので極めてメタ的だな……。
神父から材料を受け取ってロックスターのためにヤクを調合するなど。
俺は一体何をやらされているんだ……と思う展開が延々と続き、
ゲームショーへの出展や他のクリエイターとのクソゲー論争など、
ようやくゲーム製作モノらしくなってきたか?
という辺りで雑に終わってしまうから消化不良感がすごい。
日本語翻訳もイマイチで、テキストが途中で途切れてるシーンも頻繁に出てくる。
沢山あるミニゲームが単純に全然面白くないのもきついところ。
見た目の元ネタ再現は頑張っているが、どれもシステムが単純過ぎて淡々としている。
クリアしないと進めないし、その割に変に難しかったり、
説明が分かりにくかったりでストレス溜まる。
一番しんどかったのは床に落ちたサンドイッチを元の形に修復するパズルかな……。
カビと陰毛のついたパンを拾い集めていくが、
たまにゴキブリがパンを持っていくので阻止しないとゲームオーバー。
具を拾って皿の上を滑らせていくとピタッと止まる場所があり、
その上で角度を変えることで正解の形に近づいていく。
このルールが分からなくてかなり苦労したよ!見た目の汚さに耐えて何度もやり直したわ。
商品ページで目を引いた『Cuphead』のパロディゲーム。
実際遊んだら生理の日が来たシーンで挟まり、
自機が使用済みタンポンとかこれまたひどいゲームだった。
ひたすらに悪意と暴力に溢れた作りで、好きな人は好きなノリかもしれないが……。
ブラックジョークというより単に汚いものを見せられたって気持ちになったかなぁ。
「ゲーム制作なんてクソな事ばかりでロクなもんじゃないぜ!」
というメッセージを込めた自虐ネタ的な作品にしても、
内容が伴ってなくてしんどいだけだったね。
このメーカー、他にどんなゲーム作ってるんだ?って調べたら俺が結構好きな
『原始人うぉーりあーず(Caveman Warriors)』のところだったのが悲しい。
製作者と一緒に本作にも登場しており、
「ゲームを販売してくれるメーカーが見つからなくて死んだクリエイター」役だった。
嬉しくねぇ出番だ!