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3人の子供と過ぎ去った夏。そして吸血鬼との奇妙な友情。『ヴァーニーレイク』レビュー!【PS4/Switch/Xbox/PC】

 

ヴァーニーレイク | Chorus Worldwide

 

『ヴァーニーレイク』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:コーラス・ワールドワイド

機種:PS4/Switch/Xbox/PC

ジャンル:インタラクティブ・アドベンチャー

発売日:2023/04/28

価格(税込):1320円


 

LCB Game Studioが手掛ける『ピクセル・パルプ』シリーズの第二弾。

ローカライズはコーラス・ワールドワイドが担当だ。

グラフィックは80年代のPCソフト風で、

シナリオは20世紀半ばのパルプ・フィクション(安っぽい小説)風のシリーズ。

「安っぽさ」を丁寧に表現したレトロPC風ゲーム!『モスメン 1966』レビュー!【PS4/Switch/Xbox/PC】 - 絶対SIMPLE主義

『モスメン1966』から続く三部作の二作目。

前作は雰囲気作りは丁寧だったものの、

謎の怪物!謎の黒服!いきなり始まる「そんな作品だっけ?」ってレベルの銃撃戦!

なんだかよく分からないまま続編にご期待ください!

という、良くも悪くも三文小説的な荒唐無稽っぷりを楽しむ内容だった。

 

今回は3作目への引きが強いものの、キャラの描写や終わり方は前作より好みだったし、

理不尽気味な要素も減ってグッと遊びやすくなった。

かと思えば変なミニゲームは増量していたりと、

やっぱりピクセル・パルプは一筋縄じゃいかないなと思わせてくれたぞ。

 

 

ゲーム自体はオーソドックスなテキストADVで、

ストーリーは1955年パートと1981年パートが交錯して進行する。

1955年では夏休みを過ごす3人の子供たちのエピソードで、

地元のドライブインを取り壊しから救うための金稼ぎや、

「夏休みにやりたいことリスト」を軸に彼らの恋心と友情が語られる。

 

 

レトロPC風のグラフィックで描かれる夏休みの空気感や、

ちょいちょい挟まる映画の話が良いなぁ……と、

思っていると登場するのが傷付いた吸血鬼。

 

 

いきなりシカに噛り付きダイナミック吸血!

吸血鬼を助けたことで3人は彼の歓迎を受け、

ドライブスルーで彼の不思議な話を聞いたりと交流を深めていく。

この吸血鬼の不気味だけどお茶目で情に厚いキャラが凄くいい。

 

 

そして1981年パートでは「何かがあった」彼らの未来と、

超常現象研究家であるルー・ヒルの視点で『モスメン1966』の後日談が語られる。

 

 

ストーリーは一本道だが、選択肢によって細かい会話や遊ぶミニゲームが変化。

1955年パートでは釣りにサイコロを使ったギャンブルゲーム、トランプ、

雲を見て形を当てるゲームなど多彩だ。

 

 

『モスメン1966』だとミニゲームをクリアしないと先に進めなかったり、

失敗したらやり直しの選択肢が多かったりしたが、今回はそういうのは無し。

脇道のミニゲームをしっかりクリアして、

おまけ要素のコンプを目指すと結構難しい……くらいのバランスになってる。

 

 

雲をぼーっと見て形を当てるだけのミニゲームが好き。

 

 

1981年パートでもシリアスなシーンでいきなりミニゲームが挟まるから困惑。

理由付けはあるんだけどこんなノリノリのミニゲームにする必要あるかなぁ!?

『モスメン1966』遊んでると「お前割とたくましく生きてるんだな……」とはなる。

 

 

クリアまでは1~2時間くらいのボリューム。

今回も色数を抑えたレトロPC風の荒々しいタッチが迫力ある。

前作を遊んでることが前提の作りだし、短編なので説明不足な点や、

もっとこいつらの話を見たかったなぁと思うところは多かったが、

海外小説タッチでまとめられた子ども3人による夏休みの雰囲気と吸血鬼の描写、

そして訪れる切ない幕切れは、

完結編となる『Bahnsen Knights』への期待が高まる作りだった。

次は悪魔を崇拝するカルト教団に潜入した調査員の話らしく、

またガラリと方向性が変わるが楽しみにしとこう。