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【レビュー】シリーズ最後の問題作がここに復活!『改造町人シュビビンマン3 - 異界のプリンセス』【PS5/PS4/Switch/XBOX】

 

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『改造町人シュビビンマン3 - 異界のプリンセス』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:Shinyuden/ラタライカゲームス

機種:PS5/PS4/Switch/XBOX

ジャンル:アクション

発売日:2024/5/3

価格:770~880円


 

1992年にメサイヤから発売されたPCエンジンソフトの移植。

「改造超人」ならぬ「改造町人」が主役の特撮風のヒーローアクションゲームだ。1989年から続くシリーズ3作目。HuカードからCD-ROMにメディアが変わったことで演出面が大幅パワーアップしており、豪華ボイス付きのデモ演出で、新たな敵である異界のプリンセスや魔界の軍勢との戦いを描いているぞ。

 

当時人気が高く、他作品へのゲスト出演も行っていた『改造超人シュビビンマン』シリーズ事実上の最終作。

 

 

一応、次回作としてスーパーファミコンソフトの『シュビビンマン零』があるんだが、そちらは主人公・世界観を一新した作品で、発売中止になってサテラビュー対応ソフトとして発表。長らく超マイナーな幻の作品となっていたが、2017年にスーパーファミコン互換機用のカセットで復刻という、扱いがクソ面倒なヤツ!3が三部作の最終作ってことでいいでしょ!

 

今回3が移植されたことで、シリーズをまとめて現行ハードで安価にまとめて遊べるようになったのは嬉しいね。1作目は出来こそ荒いが独特のコミカルなノリやキャラの可愛さが魅力、2作目はヒーローアクションとして大幅にクオリティアップしたが、ややシリアスになり過ぎた感あり。

 

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そして今回の3作目だがまあ……色んな意味で問題作だ!

 

 

物語は福引で南の島のバカンスが当たったシュビビンマンの二人が、リゾートを満喫しているとこからスタート。いきなりの水着サービスカット。これがCD-ROMパワーだ!そこにトラブルで異界からやってきたお姫様が攻撃を仕掛けてきたため、なし崩しに戦闘が始まっていく流れだ。

 

ちなみに今回の移植版ではオリジナルになかった字幕をON/OFF出来るようになったんだが、誤字脱字が多くて体感で字幕の2割くらいにミスがある……。無いよりマシとはいえ、あからさまに雑な仕事を見せられると萎えるぜ。

 

 

ゲームとしてはオーソドックスなステージクリア型の2Dアクションゲームだ。

2作目は基本武器が銃で溜め攻撃がシュビビームだったが、今回は1作目と同じで基本武器がソード、溜め攻撃がシュビビームの形式だ。やはりシリーズ3作目になると1作目に回帰したくなるのか。

ボタンを押しっぱなしにすることでビームを自在に動かせるのが新要素かな。

 

 

容量が大幅に増えたこともあってグラフィックの豪華さは過去最高。ステージはハイウェイに地下鉄、神殿、敵戦艦、雪山などバラエティ豊かで、疑似多重スクロールの背景も見所あるし、描き込まれたドットの巨大な敵が次々に登場する。

 

 

この小型の雪だるまを次々に発射する雪だるまのボスは愛嬌があるし動きが細かいから印象的。さよならなのだ。

 

 

クリスタル状の敵表現も綺麗だ。ワシワシ歩いてきて倒すとパリーンと割れて消えていく。

 

 

倒した敵のメカを奪って突き進む場面もスピード感あるね。

後に『超兄貴』を手掛ける葉山宏治がBGMを担当しているので曲も文句無しにカッコいいぜ!

 

しかし……アクションゲームとしては単調!

敵配置が大雑把で回復アイテムが雑に出るから、適当にソード振ってるだけでどんどん進めるし、ボスもビーム数回当てるだけで死ぬとか、ソード連発してるだけで動けなくなって完封出来るとかばかり。戦闘前の会話中に攻撃すると即死するボスもいて早すぎたブシドーブレードが発生。こっちはそれやってもペナルティ無しだがな!

 

序盤のステージは無駄に長いし、乗り物を使う場面もほとんど演出だけで、新アクションの三角蹴りを使う場面は数秒と、「全体的に完成度が低い」と言わざるを得ない。

 

とにかく敵の動きが一本調子でほぼゴリ押しが効くので初見でも苦戦しない。クレハ姫とラスボスがやや分かり辛いくらいかな?

2作目が難しすぎた反動かもしれないがそれにしてもこれは……。

 

 

ボイスや演出を楽しむゲームと割り切ろうにもシナリオが意味不明過ぎて驚く。

事故で人間界にやってきた魔界のプリンセスと戦う事になって、プリンセスの部下が封印された魔界のパワーを使おうとした影響でシュビビンマンが魔界にワープ。そのまま人類根絶を狙う魔界の軍勢との最終決戦になだれ込む流れなんだけど「なんで戦っているのか」の説明が一切ないから困惑。

 

 

魔界のプリンセスと魔界の軍勢が別勢力な点に説明が無いし、シュビビンマンが魔界の軍勢と戦う理由なくね?と思っていたら、いきなり人類を焼き尽くす魔界ミサイルを持ち出すからマジで意味不明!大体魔界ミサイルってなんだよ!

 

 

魔界ミサイル建設所とは一体……。

 

本当に何がなんだか分からないまま進むので笑えてくる。ステージのバラエティが豊かと書いたが、ゲームが大雑把な上に、説明無く次々に場面展開するから全然活かせてない。

 

急にドタバタギャグみたいな空気になるエンディングもこれまた意味が分からない。魔界のプリンセスとシュビビンマンの関係性が一切構築されてないのに、そんなオチにされても困るんだが!?

 

細かい会話デモでヒーローモノのお約束をしっかり押さえていた2作目とは比べるまでもないぜ……。前作のライバルキャラであるシュビビンマン・シェイドの二人が一切出てこないのも寂しい。

 

 

とか思っていたらスタッフロールでネタにされてた。

ロックマンに少し詳しい(※本人談)ありがひとしさんだ!

 

 

グラフィッカーの面々が好きに描いたと思われるスタッフロールは見ていて楽しい。斎藤智晴さんのド迫力ドット!

 

 

シナリオは支離滅裂だが声優陣もめっちゃ豪華だ。PCエンジンのボイス有りのゲーム、豪華声優じゃない作品の方が少ないんじゃないか?このボイスとグラフィックの質がゲームに全然活かされてないの哀しい。

 

 

ここからは今回の移植版についての仕様を紹介。

過去2作と同じでゲームを起動すると言語選択っぽい画面が出てくるが、

ここで選択するのは「UIの言語」であって、「ゲーム自体が日本版か英語版か」はオプションから切り替える仕様だぞ。このゲームのシナリオには負けるがいきなり分かり辛い。魔界の罠か!?

 

最初にも書いたが字幕はありがたいけど難有り。英語版はさすがに吹き替えではなく英語字幕で対応してる。

 

 

今回も6つのセーブファイルを使ったセーブ&ロードに巻き戻しと早送り。キーコンフィグにブラウン管風フィルター。無敵モードにボスを一撃で倒せる設定、最初からクリア後のオマケやステージセレクト解禁などなど。一通りの便利機能は揃っているぞ。当時のマニュアルやCDレーベルも収録だ。

 

 

オマケは読者投稿のお便り紹介やネタムービーなどが見れる項目で、当時の社名や投稿者の名前にピー音を入れて収録してる。そこ以外は当時のままで、公式がやるにはちょっと際どいネタもあるぞ。当時の空気感が伝わってくる。お便りが10代ばかりでマジで人気あったんだなシュビビンマン。

 


特に詰まるところも無く30分くらいでクリア出来てしまうボリューム。当時から評判悪かったと聞くがフルプライスでこれはな……!

1作目はご町内の皆さんを助けながら侵略者と戦うヒーロー作品だったのに、3作目はどういう理由で何と戦っているかも分からないヒーロー作品になるという。作品として擦り切れるのが早い。

アクションゲームとしても、アニメを楽しむゲームとしても、シリーズ作品としても厳しい完成度だ。演出面だと本当に見所は多いんだけども!

 

まあ何はともあれ、これでシリーズ三部作はすべて復刻!改めて遊ぶと良くも悪くも非常に時代性が強いゲームなので、未プレイの人にオススメはし辛い。しかし値段は安くて便利機能も充実しているので、軽い気持ちで触れてみるならアリかも。どんなヒーローも不滅であり、いつか蘇るのだ!