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【レビュー】サテラビュー配信された幻のシリーズ最終作が復活!『改造町人シュビビンマン零』【PS5/PS4/Switch/XBOX】

 

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『改造町人シュビビンマン零』のレビュー行くぜ!

 


パブリッシャー:Shinyuden

機種:PS5/PS4/Switch/XBOX

ジャンル:アクション

発売日:2024/7/5

価格:990円


 

スーパーファミコンで発売されたアクションゲームの移植だ。PCエンジンで3作続いた『改造超人シュビビンマン』の1作で、世界観を一新した完全新作にしてシリーズ最終作。

 

元々はメサイヤからパッケージで発売される予定だったが中止になり、1997年にスーパーファミコンと衛星放送を繋いで遊ぶサービス「サテラビュー」でのみ配信された幻のソフトである。

 

 

2017年にコロンバスサークルから、SFC互換機カセットという形で奇跡的に復刻されたが、コンシューマ機への移植は今回が史上初だ。

 

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メサイヤ作品の移植を多く手がけるShinyudenによる『改造町人シュビビンマン』移植もこれでコンプリート!シリーズ全部がお手軽に遊べるようになったぜ!

まさか零まで来るとは思わなくて、3のレビューで「最後の」って表現を使ってしまった。事実上は3が最後ではあるから!

 

内容は世界観を一新してることもあって過去作とは別物。

アクションゲームとしては時代を考えてもかなり大味な作りなので、当時のゲームの雰囲気が好きなら……って評価になってしまうかなぁ。

 

 

正義のヒーロー「改造町人シュビビンマン」と、世界征服を狙うBB団の戦いを描く内容。

世界観が一新されてスタッフも異なるので、1~3で主役を務めた「太助」「キャピ子」ではなく、「らいた」と「あずき」が主人公だ。デザインがダサい知らないシュビビンマンたち!よろしくな!

なんかPCエンジンで発売された過去作より古臭いような……。

 

2人プレイ可能で1Pが「らいた」、2Pが「あずき」で固定。つまり一人プレイだと「あずき」が使えない仕様である。過去作は選べたのに!

 

 

オープニングではBB団の女幹部が高笑いと共に街を襲撃するシーンから始まる。奇声を上げて暴れる戦闘員!そこに現れた一人の戦士が変身!そして「シュビッと登場 シュビッと変身 人呼んで 改造町人シュビビンマン」の掛け声と共に戦いがはじまるのだ。

 

なんか安い特撮パロになっちまったな!?

 

 

剣で敵を倒すアクションだったり、ロックマン風になったりとシステムが安定しないシリーズだが、今回は通常攻撃が連続パンチ。敵をコンボでボコボコにしながら進む一本道のアクションゲームだ。

 

 

溜め攻撃であるシュビビームは構えが波動拳になってるし、昇竜拳コマンドで昇竜拳まんまのアッパーも繰り出せる。『ストリートファイターII』ブームの時に企画されたのが分かりやすいな!

 

過去作とはかなり手触りが違うが、効果音も含めて敵をボコボコにして吹っ飛ばす気持ち良さがあるし、アッパーは多段ヒットするから硬い敵に当てると爽快だ。スーパーファミコン特有のちょっと籠った効果音がたまんねぇ!

 

 

ステージも博物館やハイウェイ、ゴエモンみたいな和風の敵基地もあったりでバラエティ豊か。

 

BGMもノリノリでイケてるぜ。

 

 

メサイヤのロゴ入りトラックが走ってる小ネタなども楽しい。

 

 

敵を倒すとゲームカセットやハニワ、宝石など無駄に種類の多い得点アイテムをボロボロ落とすが、終盤のステージではメサイヤのマスコットである「うみにん」が出るのも嬉しかった。『超兄貴』でお馴染みでグッズ展開もされたニクいやつだ。

 


ただ、ゲームとしてはかなり淡泊。

次々にステージが切り替わるのでテンポは良いんだが、トゲやビーム、落とし穴などのトラップが単純なものばかりで全然苦戦しないし、ザコを倒すメリットが得点アイテムと回復アイテムだけなので、基本的に無視してOK。ボスもとりあえず連続パンチでボコボコにすれば倒せちゃう。

 

 

ボスの個性付けはしっかりしていて、こいつは体から発射されるトゲ付きのリフトを足場にしてジャンプし、顔を狙い打つという『ロックマンX』みたいな構造で面白いんだが、やっぱり体力が低すぎるので簡単。

 

3回のコンティニューを使い切ったら即ゲームオーバーでセーブ無し。ラスボスが初見殺しのビーム撃ちまくってくるからやや手こずるくらいで、アクションゲームとして歯応え無さ過ぎる。まあ、敵を倒す気持ち良さがあるだけ『改造超人シュビビンマン3』よりは楽しい。

 

 

合間には会話パートが挟まり、敵に縛られてる博士を見たらいたが「そんなしゅみがあったのか…」なんてボケたりギャグっぽいノリではあるんだが、話自体は割とシリアスで、でも尺が短いから展開が唐突で中途半端。敵の女幹部であるギャル子と淡々と戦っていく展開が続く。特撮パロなら敵が色んな作戦で攻めて来るとか、そういうの欲しいけど無い。

 

 

何度も戦うライバルキャラのカゲマルもキャラが薄い……。

それっぽい会話ばかりでキャラが魅力的に描けてないのが厳しいぜ。ライバルだったら2のシュビビンマンシェイドは良かったのに!

 

 

ここからは今回の移植版についての仕様を深堀り。

過去3作と同じでゲームを起動すると言語選択っぽい画面が出てくるが、ここで選択するのは「UIの言語」であって、「ゲーム自体が日本版か英語版か」はオプションから切り替える仕様だぞ。このシリーズ、結局全部この分かり辛い仕様だったな!

 

 

便利機能としてセーブ&ロードに巻き戻し、イージーモード、オプションで無敵や敵全滅などのチート設定も可能。デバックメニューを開かないといけないのがやや面倒だが、ステージセレクトやステージスキップも可能になっている。

 

サテラビュー配信作品ということもあってか、過去の移植作にあった説明書や設定画が見れるギャラリーは今回無し。SFC互換カセット版には説明書ついてたけど、あれは他社であるコロンバスサークルから出ていたので付けられなかったか。

 

 

1時間も掛からずにサクッとクリア可能。

希少な移植作ではあるんだが、ゲームとしては大味なB級ゲーム止まり。いや、大味とか言い出すとこのシリーズは割と毎回そうなんだけども……!

 

これは当時発売されていたとしても評価は高くなかっただろうなぁ。

元々、PCエンジン初期からの時代の波に乗れたことで成功したシリーズなので、スタッフもキャラもハードも変わって、強みであるキャラの魅力やコンセプトの目新しさが無くなったら、ただの平凡なゲームだ。「新しいシュビビンマン」的なものを確立出来たら良かったんだけどそうでもなく。

 

3の迷走っぷりが凄かったので、世界観を一新して特撮パロ的にまとめた雰囲気自体は評価したい。アクション部分の手触りやBGMは好きだし、今見ると「スーパーファミコンのアクションゲームあるある」を詰め込んだような懐かしいステージ展開になってるので、好きな人が軽く遊ぶ分には悪くないかな。

評価としては厳しくなったが、移植で1~3と追いかけて思い入れが深まってたので、最後のシュビビンマンを遊べて良かったぜ!