スーパーマリオ オデッセイ | Nintendo Switch | 任天堂
今更だが『スーパーマリオオデッセイ』のレビュー行くぜ!
メーカー:任天堂
機種:Switch
ジャンル:アクションゲーム
発売日:2017/10/27
価格(税抜):5980円
現時点での3Dマリオ最新作。
いつものようにクッパにさらわれたピーチ姫を助けるために、
マリオが世界中を旅するアクションゲームだ。
発売前のPVから新時代のマリオを感じさせてくれたが、
期待以上の完成度だった名作!
いつものようにとは言ったが、
純白のタキシードでビシッと決めたクッパとの死闘にマリオが破れ、
いつも被っている赤い帽子がバラバラに粉砕されるというシビれる導入になっている。
お馴染みのトレードマークを失う展開から、
すでに只ならぬスケールの冒険を予感させるぜ。
敗北したマリオが辿り着いた帽子の国で出会ったのは帽子のキャッピー。
妹のティアラをクッパにさらわれてしまったため、2人で協力することに。
各地でピーチ姫との結婚式に使う道具を奪いまくっているクッパを追いかけ、
キャッピーと共に帽子型の飛行船であるオデッセイ号で世界を大冒険だ。
この新しい相棒であるキャッピーの能力で、
歴代最強かもしれない力を手に入れたのが今回のマリオ。
帽子のキャッピーは投げて敵を倒したり、
ジャンプ台にして大ジャンプをしたりも出来るが、
何と言ってもスゴいのがキャプチャー能力!
帽子を被っていない敵や物に帽子をかぶせることでその体を乗っ取れるのだ!
これまでのマリオシリーズは「今回はネコマリオ!」とか、
「今回はペンギンマリオ!」とか、
「今度のマリオはハチマリオで熟女の体に潜り込む!」とか、
新作の度に新しいパワーアップをウリにしていたが、本作はそんな次元じゃあない。
帽子を被っていないあらゆるものを利用して「○○マリオ」に変身する。
お馴染みの敵であるクリボーを乗っ取ればクリボーマリオに!
キノコ王国の裏切り者の体、お借りします!
『スーパーマリオワールド』屈指のタフさを誇ったブルの体もこの通りだ。
お馴染みの敵キャラの体をバンバン乗っ取れるのに感動。
無機物も乗っ取れるのでマンホールマリオや戦車マリオも爆誕。
任天堂が全力Bダッシュでマリオという概念を破壊しに来てるのが分かる。
乗っ取った体の能力もバリバリ使いこなせる。
例えばこのセノビーという敵キャラを乗っ取ると体を伸ばすことが出来るので、
これで普通のジャンプでは届かない場所に移動したりが可能だ。
他にも空を飛んだり、水中で酸素に縛られずに泳ぎ回ったり……。
こういったキャプチャーを活用したギミックやイベントが
数えきれないほど詰め込まれている。
キャプチャーしてない素のマリオの段階でもアクションがめちゃくちゃ豊富だし、
アクション面の奥行きは目を見張るレベル。
最初に本格的な冒険がはじまるダイナフォーで、
リアルな恐竜を乗っ取って大暴れする展開を持ってくるのも実に上手い構成だぜ。
ゲーム自体はステージにどこかに隠されたスター……ではなく今回はパワームーンか。
パワームーンを見つけていき、一定以上見つけたら次の国へ。
全部見つけなくても先へは進めるが、
コンプや隠しステージを目指すなら隅々まで回る必要がある。
という、いつもの3Dマリオ的な構成ではあるんだが、
キャプチャー機能のおかげで探すのが格段に楽しくなっているし、
各国の作り込みもすごい。
リアルな国から陽気な国、これまでに無かった雰囲気の国など様々で、
常に「次の国はどんな国なんだろう?」ってワクワクしながらの旅となる。
国の広さ自体はどこもそこまでではないが、
隠されたパワームーンやイベント、小ネタの詰め込みっぷりが圧巻。
そう簡単に旅は終わらないぞ。
土管に入ることで「2Dマリオ」が始まる箇所もあったり。
ちゃんとBGMが8bit風になるのが細かいぜ。
2Dマリオステージに慣れてくると、今度は3Dと2Dが交差する場所が出現。
これには唸った。
訪れる国によってグラフィックのタッチそのものを変えてくるのが本当にイイ。
ホロビアドラゴンのガチドラゴンっぷり最高だぜ!
都市の国では満月をバックにビルで巨大メカと戦うボス戦があったり、
とにかく今回のマリオは男の子の心をくすぐるストレートな燃え展開が多い。
こいつの名前が「メカハナチャン」なのはかなりビックリしたよ!
お前ハナチャンだったの!?
マリオシリーズのお約束を逆手に取ったような演出や描写がキマりまくりで、
特にクッパ城のビジュアルを見た時はめちゃくちゃ感動した!
こういう驚きが欲しかったんだよ俺は!
終盤の展開もこれまでのマリオから一皮剥けた感があって最高。
ピーチ姫の水着姿もプレミア感すごかったな……。
これにはルイージもガッツポーズ。ルイージではない。
今回はピーチ姫も色々な服装を見せてくれてどれも可愛い。
各国でボスとして戦うことになる「ブルーダルズ」も
表情豊かで存在感あって良かった。
コクッパでもブンブンでもクッパジュニアでもなく、
新キャラってのが本作の雰囲気に合ってるぜ。今後も出てきて欲しいなあ。
リアルな等身の住人が闊歩する都市の国はやっぱり探索してて一番楽しかった。
バイクで爆走したり、バンドメンバーを集めたり。
マリオのデビュー作である『ドンキーコング』に登場した
ポリーン(レディ)も都市の国の市長として出演だ。
マリオシリーズ最古のヒロインが最新作にゲスト出演。
マリオとは面識が無いようなそぶりだったがクリア時のイベントがスゴかった…。
個性豊かな国々を巡っていく本作に、
優秀なスナップショットモードがあるのは本当にありがたい。
角度やズーム率、画面フィルターで簡単にそれっぽい写真を量産できる。
マリオの着せ替えも可能で、各国のショップで様々な衣装を買うことが出来る。
これまでのマリオは服が変われば能力も変わっていたが、
今回はキャプチャーで能力が変わるから、衣装の方は自由に出来るというわけだな。
歴代マリオシリーズのコスチュームが満載で、
『スーパーマリオメーカー』のビルダーマリオから、
『スーパーマリオランド』の終盤を思わせるパイロット服まで数十種類。
パンツ一丁なんてネタ衣装まであり、
スナップショットモードと組み合わせて遊ぶと時間が溶けまくる!
こんな写真も簡単に取れてしまうぞ。
多彩なアクションとキャプチャー能力を使いこなし、
世界を隅々まで駆け巡って、パワームーンを探していく。
ちょっとしたところにアスレチックステージが隠れていたり、
一見簡単に取れそうなパワームーンがなかなか取れなかったり、
アクションをフルに使う必要があったりと、
とにかく多彩な遊びが用意されている。
おもちゃ箱をひっくり返したような……いや、
おもちゃ箱がそこら辺に置いてあるようなステージ構成だわ。
「ゲームのどこを切ってもマリオが出てくる」という密度。
BGMも名曲揃い。
マリオの新たな冒険の幕開けに相応しい雄大なダイナフォーに、
ノリノリのスチームガーデン。
マリオシリーズ初の本格的なボーカル曲である「Jump Up, Super Star!」に
ド終盤で流れてこちらを熱くさせたあの曲などなど。どれもマリオの歴史に残るぜ。
カメラワークが見辛い箇所がちょいちょいあるのと、
ムーンの数が数百個あり、分かり辛いものもあるので
ヒントを使ってもかなり大変なのはちょっと気になったかな。
まあのんびりプレイしよう。
2D、3D含めたマリオシリーズの総括であり、
懐かしい要素に溢れながらも、目を見張るほどの新しさにも満ち溢れた最高の大冒険。
これまでのマリオに想いを馳せながら、これからのマリオにも期待が持てる。
素晴らしい1本だったぜ。