No Straight Roads ノー・ストレート・ロード | 公式サイト by GSE
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『ノー・ストレート・ロード』のレビュー行くぜ!
俺がプレイしたのはPS4版ね。
メーカー:Game Source Entertainment/Sold Out Sales and Marketing Ltd.
機種:PS4/Switch/Xbox One
ジャンル:3Dアクションアドベンチャー
発売日:2020/8/27
価格(税抜):4980円
ロックvsEDMの戦いを描いた3Dアクションゲーム。
マレーシアの新興メーカーであるMetronomikの第一弾だ。
第一弾でこれ出せるの凄いな!
ビジュアルとPVで一気に引き込まれて、こりゃ買うしかないと買ったが大正解。
尖がりまくりのキャラ達に最高のBGM、
センスの激流としか言いようがない演出の数々!
3Dアクションとして見るとかなり荒削りではあるんだが、
そんな欠点を吹っ飛ばすほどに超パワフルな1本だったぜ!
物語の舞台は音楽の力で発電を行っているビニールシティ。
街を牛耳るのは大企業であるEDM帝国NSR(ノー・ストレート・ロード)と、
契約しているアーティストたち。
インディーロックバンドである「バンク・ベッド・ジャンクション」のメイデイとズークは、
NSRのオーディションを受けに行くが、
審査員であるタティアナからロックを否定され、
他の参加者よりも電力を生み出したにも関わらず落選となる。
しかも、終了後にオーディションでのロックミュージック禁止を通達。
更に電力が一部のエリートのために使われている光景を目の当たりにする。
このEDM帝国による不正と癒着をぶち壊すために、
メイデイとズークはロックでNSRに立ち向かう!というストーリーだ。
NSRのメンバーがポーズ決めるこのカットだけでもうたまらないぜ……。
探索パートでボスが待ち受けるコンサートホールまで移動し、
コンサートをハイジャックすればアクションパート開始!
ボスを倒して支配されている地区を開放し、
最終目標であるNSRタワーへと進んでいく一本道の構成だ。
軽い探索要素と育成要素もあるので、
ボスが強いと感じたらスキルを覚えてから再度挑むことも出来る。
登場キャラがとにかくパワフルかつ魅力的なゲームで、
とにかく勢い任せに突っ走るギター担当メイデイと、
優しく不器用なドラム担当ズークの小気味良い掛け合いが最高!
見ていて笑顔になる良いコンビだ。
待ち受けるNSRのメンバーもクセモノ揃い。
惑星をも味方に付けるDJサブアトミックスーパーノヴァ、
完璧なグループダンスをキメるハンサムロボット軍団のテンテン。
幼き天才ピアニストのユアヌ。誰も追いつけない孤高の天才アーティスト、イヴ。
キュートでポップなバーチャルアイドルのサユなどなど。
やっぱりボスキャラはこのくらい尖ってないとな!という顔ぶれになっている。
バトル前にはお互いのロゴがバシッと表示されて、対決を盛り上げてくれるぜ。
とにかくキャラが可愛い!かっこいい!イカれてる!ロック!
表情の変化に活き活きとしたモーションが見ていて本当に素晴らしい。
テンテン戦のこのメイデイとズークが特に好き。
観光客や元ミュージャンなど、街にいるモブキャラすらみんなキャラ立ってる。
話しかけると3Dのキャラが画面手前にすっ飛んできて、
そのまま2Dのイラストに切り替わる演出がスマートかつ上手い。
アクションパートはボスとのバトルがメインの作り。
ザコを倒しながら進む場面もあるが
ボス戦で負けてやり直したり、一度クリアしたらカットできる。
性能の異なるメイデイとズークを状況に応じて使い分けながら、
通常攻撃、緊急回避、空中ダッシュ、二段ジャンプ、
ゲージを溜めて発動する各種スキルを使いながらのバトルだ。
障害物の破壊などで手に入る弾を拾うことで遠距離攻撃も可能。
これと通常攻撃と合わせて、ボスの体力をゴリゴリ削っていくのだ。
また、ステージ内に設置されたオブジェの近くで演奏を続ければ、
敵への攻撃やバリアといった効果が発動する。活用できれば一気に有利に。
3Dアクションとしてはオーソドックスな作りだが、
敵の攻撃とBGMのリズムがシンクロしているのが特徴だ。
BGMのサビに合わせてビームが飛んで来たりするので、
リズムに乗ることで避けやすくなる。
更に、紫色のラインが表示される敵の攻撃を通常攻撃で弾くとパリィとなり、
攻撃を弾いてボスにダメージを与えられる。リズムに乗って撃ち返す!
この戦い、ノリを掴んでノった方が勝ちだ!
リズムに乗って戦うと有利なんだけど、
普通にアクションゲームとして戦っても勝てる作りなので、
リズムゲー苦手な人でも遊べる……というのは悪くない方向性かな。
アクション部分の完成度自体にちょっと難があるんだがそれは後述。
ボスの残り体力に変動して見た目やステージが豪快に変化。
状況がド派手に移り変わっていくから盛り上がるし、
ただでさえBGMが文句無しの良曲揃いなのに、
こちらが有利になるとBGMにロックのメロディが混ざり始める演出が燃えるぜ!
豪華声優陣による日本語吹き替えも完璧!
節々のセリフ回しも良くて聞いてて気持ち良いし、
バーチャルアイドル・サユのステージなどは、
言語を変更するとBGMが日本語ボーカルに切り替わる拘りっぷりだ
ボスへのトドメ演出がバシッと決まってるアクションゲームは強い #PS4sharehttps://t.co/He3qxBjcRB pic.twitter.com/1QFgOiKt52
— ラー油/Vゲームブロガーらあゆちゃん (@daikai6) September 18, 2020
ズークの「これを終わらせる方法は一つ!」から始まる口上と共にボスにトドメを指し、
レコードが塗り替えられる勝利演出がまたシビれる。
こういう「お約束の演出」がしっかり作れてる作品ってのは強いよ。
探索パートで歩き回ることになる街の美術も絶品だ!
支配してるアーティストに合わせた構造で個性満点。
マップはそこまで広くないものの、
カラフルかつ統一感のある街並みがギュッと詰まっている密度が圧巻。
二段ジャンプと空中ダッシュで飛び回りながら、
細かい部分までじっくり見たくなる素敵な場所揃いだ。
ロックとEDMで味付けされたセンスの宝石箱!
調べられるオブジェも満載で、メイデイとズークでコメントが違うのが細かい。
スタート地点近くのNSRビルで、次に戦うボスのCMやPVが流れる演出も光るぜ。
アーティスト対決ならではの表現だなぁ。
そんな内容でキャラとBGMとグラフィックは最高だが、
アクションゲーム部分の作りはちょっと粗が目立つ。
一応、難易度ノーマル、ハード、パリィで
全ステージをノーコンティニュークリアしたんだが、
ザコ戦はかなり単調な作りだし、エフェクトの派手さと動かせないカメラのせいで、
ボスの攻撃や敵弾が見辛い場面がしばしば。
リズムに合わせた攻撃もタイミングが掴み辛い箇所が多い。
バシッと噛み合っていて気持ちいい瞬間も間違いなくあるだけに、
色々と惜しい作りだ。現在はアプデで改善されているが、当初はバグも多かった。
クリア後に解禁される難易度パリィだと少し手触りは変わる。
こちらはパリィでのカウンターでしかダメージが通らない特殊モード。
パリィ出来る攻撃が増えてもいるので、
連続パリィでガンガンカウンターを決められると爽快だ。
二段ジャンプでレーザーを避け、更に空中でパリィ!
連続レーザーを連続パリィ!リズムとの一体感は通常モードよりマシマシだ!
ただ、こちらもリズムが取りづらい場面や、
パリィ待ちで攻撃できないじれったさを感じる場面が目立っていて、
トータルではそこまで印象変わらないかなー。
キャラと演出は最高だが、
ストーリーはかなり駆け足で「いつの間にそんな話に?」となったり。
終盤の展開自体は王道で良いだけにもう一押し欲しいところだったね。
探索ややり込みで手に入るコレクションで、
各ボスを少し掘り下げているのは好きなところ。
コレクション選んだら急にアニメ始まる時もあってここも拘ってるわ。
ちなみに俺のお気に入りキャラはNSRを牛耳る腐敗した権力の象徴タティアナです。
後半の描写がずるいわ。
探索パートでエリアやボスの前に移動できるファストトラベルが存在するんだが、
「拠点にいるワニにエサを5回与える」という小ネタみたいな解禁条件。
もうちょっと分かりやすくしていいんじゃないか……。
俺これに気づかなくてゲームクリア後に知ったよ!
クリアまでは6~7時間ほど。
荒削りな部分もあるが遊んでいるとそんなところは吹っ飛ぶ。
制作側の執念すら感じる数々の描写と、
文句無しのローカライズにより創られたロックvsEDMのぶつかり合いは、
全シーン、全カット、全BGMに見所と聞き所しかなく、
あまりにも濃厚かつソウルフル!あまりにもロック!
本編だけならアクションとしての難易度はそこまで高くなく、
クリア評価を気にしなければ
コンティニューのゴリ押しでクリア出来るようにもなっているので、
PV見てピンと来たら腕前を気にせず遊んでもらいたい。
アツい1本なのは保証するぜ!