フォワード・トゥ・ザ・スカイ(Forward To The Sky) ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『フォワード・トゥ・ザ・スカイ』のレビュー行くぜ!
メーカー:賈船
機種:Switch
ジャンル:アクションアドベンチャー
発売日:2021/02/25
価格(税込):4400円(通常版)8800円(限定版)
賈船がローカライズを手掛ける3Dのアクションアドベンチャーだ。
魔女をぶちのめして名を上げるために乗り込んで来たおてんば姫を操作し、
モンスターと戦いながら天空の塔を攻略していく内容。
元々は2015年にSteamで898円で配信されたかなり古いタイトル。
今回のSwitch版は日本語ボイスに追加ステージ、追加ボス、追加モードなどなど。
多数の追加要素で大幅にボリュームアップしているとのこと。
グラフィックはかなりチープだけど雰囲気は嫌いじゃないし、
主題歌も気に入ったので買ってみるか!色々パワーアップしてるらしいし!
買った!ダメだった!というパターンだったぜ……。
本当に「Steamで898円ならまあ……うーん……」
「パワーアップしてこれ!?」となる完成度とボリュームなので、
定価4400円はきっついとしか言いようが無かった。
全8ステージに挑むステージクリア型の構成だ。
スイッチを切り替えて仕掛けを動かすなど、ちょっとした謎解きが散りばめられている。
敵や特別な像を破壊することでクリスタルを入手可能で、
100個集めてクリアすると「魔女」の過去エピソードとイラストを見ることが出来る。
中途半端に集めてクリアすると、イラストが完全には見れないという作り。
「斬る」「刺す」による2種類のコンボ攻撃と緊急回避を使ってザコ敵をなぎ倒し、
ジャンプで進んでいくのが基本。アクションゲームとしては非常に単純だ。
オリジナルではロックオンが無かったようなんだが、Switch版は追加されている。
そんなゲームだがまずアクション部分がかなり単調。
攻撃手段が2種類のコンボ攻撃のみで、他の武器や必殺技、成長要素などは一切ない。
ひたすら転がって殴る!転がって殴る!を繰り返すだけ。
コンボ攻撃の硬直が大きいから敵に攻撃が当てづらいし、緊急回避も隙が大きい。
エフェクトや攻撃判定が分かり辛いため、
「こっちの攻撃が当たっている」「敵の攻撃が当たっている」という感覚に乏しい。
カメラの動きもぎこちなく、ロックオンを使うとすぐにカメラが荒ぶる。
3Dのアクションゲームとして、単純に動かしていてストレスが溜まる完成度だ。
説明はないがオートロックボタン長押しでロックオンは切れる。
これ知らないとラスボスでロックオン暴発してボコられるので気をつけよう。
消える床の消え方が煮え切らない #NintendoSwitch pic.twitter.com/fSagJ9PGtG
— ラー油/Vゲームブロガーらあゆちゃん (@daikai6) February 26, 2021
いや、敵の種類も少ないしこのゲームの本題は探索と謎解き!
と思おうにも、謎解きもよくあるものばかりだし、
一定間隔で消える床を乗り継いでいく場面で、
床がジワァ……と消えていくからタイミングが掴み辛いとか、
台から出る光を別の台に当てることで仕掛けを動かす場面では、
光のエフェクトがメチャクチャ見辛いとか(光の発射口を目印にすれば分かるが……)
細かい部分で作りの粗さを感じっぱなし。
ステージはそんなに広くないんだが、カメラワークのせいで見通しが悪く、
似たような景色が続く上にマップの類も一切ないので、結構迷いがち。
全8ステージかつ1ステージが短いため、
ゆっくり遊んでもクリアまで2時間掛からない……。
アクション部分がぎこちなく、謎解きが中心っぽいのにクリアタイムが記録されたりと、
スピードラン前提の構成になってるのも噛み合ってない。
フォワードトゥザスカイ、steam版から2ステージ増えてるっぽいんだけどどっちも単調なボスと戦って終わりだし、他のステージにはあるクリアデモが無くて謎暗転が挟まるからバグかと思った #NintendoSwitch pic.twitter.com/btYJOEX9fn
— ラー油/Vゲームブロガーらあゆちゃん (@daikai6) February 26, 2021
オリジナルは全6ステージなのでSwitch版だと2ステージ増えてるんだが、
増えたステージはどちらもしょっぱいボスとタイマンするだけ。
しかもメインストーリーの合間に強引に突っ込んでるせいなのか、
クリアしてもストーリーデモが無く、
ボタンを押さないと画面が進まない謎の暗転を挟んで次のステージに進むから、
バグかと思った。
すぐ終わる上にやり込みたくなる要素は全然ない。
クリスタル集めは意識してやれば1周で終わるし、
高難易度モードは制限時間が付くとか敵が増えて強くなるとかなので、
遊んでいて楽しいものじゃない。
Switch版限定モードとして
自動で走る姫を操作してクリスタルを集める「タワーラン」と、
次々に湧いてくるザコ敵と戦い続ける「モンスターウェーブ」もあるが、
どっちもちょっとしたおまけみたいなモードだ。
というか、基礎のアクション部分がガタガタなのに、
ザコと戦い続けるモードなんていらないよ!
そもそもこのゲームってアクション部分がかなり簡素なシステムで、
一応は謎解きと探索でクリスタルを見つけるのがメインなのに、
追加要素がボス戦を筆頭にバトルばっかりなのはその時点でズレを感じる。
長所としてはデフォルメされた主人公の3Dモデルと日本語ボイスが可愛いところかな。
8枚あるCGはオリジナルからすべて描き直されていて、
ギャラリーだとオリジナル版も収録してるのは細かい。こちらがオリジナル版。
こちらがSwitch版だ。画面をフルに使っていてかなり綺麗になってる。
それにしても頭はデカいのに文字が小さいな……。
ただ、パッケージのイラストとゲーム中のイラストが全然等身違うし、
凄く質が良いかと言われると大分コメントに困る。
姫と魔女が交流するストーリーになっているが、
短いゲームで登場人物もほぼ2人だけなのであんまり見所は無いね。
この手のゲームにありがちなコスチューム変更とかも無いので、
可愛いキャラ目当てでもかなり物足りないぞ。
「値段が高くて面白くない上にすぐ終わる」という、遊んでいて悲しくなる1本だった。
ボリューム以前にゲームとしての完成度に問題があり、
その上でこれをパッケージ4400円で売る賈船かなりひどい!
「2015年に発売されたSteamで898円のゲーム」だったら、
まあキャラは可愛いしBGMは良い……で大目に見れなくも無かったんだが、
「大幅にボリュームアップした内容(公式より)」を謡って
2021年に4400円で売るんだからちょっとは文句を言わせてもらいたいぜ。
『フォワード・トゥ・ザ・つらい』だったよ!