忘れないで、おとなになっても。 ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『忘れないで、おとなになっても。』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:GAGEX
機種:Switch
ジャンル:シネマティック・アドベンチャーゲーム
発売日:2021/12/2
価格(税込):1800円
備考:Steam版は2022年1月13日配信予定
GAGEXがスマホで配信したタイトルの移植で、
横画面に完全対応し、追加シナリオを収録した完全版となっているぞ。
2020年を生きる少年が33年前にタイムスリップ!
幼いころの父と母が出会った昭和の時代を冒険し、
未来を変えるために奔走する。ノスタルジーな雰囲気満載のADVだ。
一本道のゲームだが、良い意味で期待を裏切らない展開が魅力。
子供の目線で語られるタイムスリップ作品として面白かったぜ。
物語は主人公のミナト少年が、家族と共に慰霊祭に行くところから始まる。
ミナトには、その街にいる離婚した父親を探す目的があった。
妹の病気を治すために、骨髄移植のドナーになってもらうためだ。
しかし、既に父親は……。
このままでは妹の命がどうなるか分からないし、母も病を患っている。
そこでミナトが得たのはタイムスリップのチャンス。
父親が残した「七不思議」ノートと、時折見る予知夢。
この二つを手掛かりに、
ミナトは今を変えるため33年前へタイムスリップするという流れだ。
グラフィックはボクセルで表現されていて、体の動きや表情の変化などは無い。
ファミコン時代のゲームと現代ゲームのハイブリッドってノリ。
ノスタルジーをウリにした物語重視のゲームということもあって、
なかなかハマってる。背景も雰囲気出てるね。
ミナトが風呂に入る時も帽子被ったままなのが昔のゲームっぽくて好き。
ゲームとしては完全に一本道で、進行ヒントもあるたので詰まるところは全く無い。
マップに隠されているコインを集めてガチャを回したり、
あちこちで懐かしアイテムを探すオマケがやり込み要素かな。
七不思議も含めた物語上の「ナゾ」はメニュー画面から確認可能。
解決するとテキストが変わるので、定期的に読みかえすと物語の理解が深まる。
過去へ飛んだミナトは、
そこで出会った子供たちと協力して七不思議の謎を追っていく。
記憶喪失を自称する女の子や、銭湯のせがれ、神社の娘など。
みんなキャラが立っていて会話が楽しいし、
ミナトの鈍感っぷりやトボケっぷりも小学生らしくて微笑ましい。
昭和風景の中で少しずつ明らかになる七不思議の正体。
子ども目線で語られるそれぞれの問題や秘密。
未来から来たミナトの行動で成長していくメンバーたち。
タイムスリップモノのお約束を押さえたボーイミーツガール作品になっていて、
テンポ良く伏線回収しながら進む展開は引き込まれる。
基本的に同じ街の中だけで物語が進むため、
建物やモブキャラにも愛着が湧いてくるね。
メインストーリーの脇で進むちょっとした人間模様が良い味出してる。
こういう作りのゲーム好き。
小ネタの昭和アイテムも凝った作りだ。これは月刊マー!
3Dで作られてるのでクルクル回せるしテキストも付いてる。
使い捨てカメラとか最近見なくなったなぁ……。
クラスメイトが本体をぶっ叩いてフラッシュを強制発動してたのを覚えてる。
未だに擦られるあの人の大予言はやはり外せないところ。
キャッチーでデカいことを言い切ることの強さを我々に教えてくれた!
ただ、ハッキリ「1987年」と言っている割に、
メンコで白熱してる子供がいたり、ツチノコ騒動があったり、
放送してない全員集合ネタがあったりと時代考証はゆるめ。
まあ、ここら辺は幅広い年代に向けてわざとやっているのかも(好意的解釈)
あるいは我々の知っている昭和とは違う時空なのかもしれない!
クリアまでは10時間掛からないボリューム。
小学生である主人公が両親が子供だったころにタイムスリップし、
なんやかんやあって伏線回収もされて泣ける!
という、王道の良さを外さない感動系の作り。
PVから期待するものをしっかり見せてくれる。
それでいて「ここからどうなるんだ?」とハラハラさせる展開もあり、
遊んでいて続きが気になるゲームだった。
追加シナリオは本編の後日談で、やや蛇足っぽい感はあるものの、
本編キャラたちのその後を見れたのは嬉しかった。
タイムスリップの設定周りはプレイヤーの想像に任せ過ぎなところもあったけど、
シナリオの組み立て方が上手かったね。
コテコテの感動系ADVがやりたい人は遊んでみてくれ!