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【レビュー】悪酔い注意!アルコール片手の地獄巡り、13年ぶりに復活!『Shadows of the Damned: Hella Remastered』【PS5/PS4/Switch/XBOX/PC】

 

【公式】Shadows of the Damned: Hella Remastered(シャドウ・オブ・ザ・ダムド: ヘラ リマスタード)

 

『Shadows of the Damned: Hella Remastered』のレビュー行くぜ!俺がプレイしたのはPS5版ね。

 


パブリッシャー:グラスホッパー・マニファクチュア

機種:PS5/PS4/Switch/XBOX/PC

ジャンル:アクションシューティング

発売日:2024/10/31

価格:4180


 

2011年にPS3とXBOX360で発売されたTPSのリマスターだ。

開発はグラスホッパー・マニファクチュアで、当時はエレクトロニック・アーツから発売。プロデューサーが三上真司、脚本が須田剛一、音楽が山岡晃、美術が林田球など。個性派クリエイターたちのコラボで生まれた地獄巡りTPSになっているぞ。

 

B級狙い過ぎてややパワー不足な作品で、リマスター作品としても物足りない点が目立つが、独自の魅力はある1本だぜ。10年ぶりくらいに遊んだが割と楽しめた。

 

 

全身タトゥーで顔に傷に入った悪魔ハンターのガルシアが、銃に変形する相棒のガイコツ悪魔ジョンソンと共に地獄に乗り込み、悪魔王にさらわれた恋人ポーラを助ける……というストーリーだ。

クッパにさらわれたピーチ姫を助けろ的な王道展開。俺はマリオで、君はピーチ姫か。

 

 

悪魔に囚われた恋人ポーラはガルシアの前で何度も何度も死ぬことになる。名前が表示される最初のシーンがいきなり首吊り!

 

 

地獄に突入してからも何度も死体として登場し、幻覚でプレイヤーをビビらせてくる。全力ダッシュで追ってくる偽物のポーラに追いつかれたら即死!という場面もしばしば。

 

捕らわれのヒロインとホラー映画の怪人を兼任してるような立ち位置である。

もしかして……あんまりピーチ姫じゃないのでは?誰だよピーチ姫とか言ったの!

 

須田 ガルシアとポーラの関係って、まんま●●●と●ー●姫なんですよ。●●●にポーラがさらわれて、彼女を助けにいくという。

 

『シャドウ・オブ・ザ・ダムド: ヘラ リマスタード』は令和の世に降り立った“不適切にもほどがあるゲーム”!? 三上真司・須田剛一による地獄×ロケンロールな対談企画【gamescom 2024】 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

 

製作者でした。

 

 

奇想天外な地獄の風景やポーラの様子に、ガルシアとジョンソンがツッコミや愚痴を言いつつ進むノリが本作の魅力。日本語ボイスは浅野忠信と我修院達也が担当だ。

浅野忠信の演技がそこそこ地獄で、我修院達也のノリノリっぷりが素晴らしいだけに色々とこう…………まあ慣れれば味がある!英語ボイスにも出来るからそっちで遊んでも良いし!

 

 

地獄に堕ちたヤツはまず赤ん坊の姿でドアにされて100年過ごすとか、悪魔は花火大会で全身を焼くのが好きとか、色々とイカれてる地獄を突き進む。

落ちているイチゴや目玉を探してドアの口にぶち込むと先に進めるぞ!

 

 

ゲーム自体は一本道のTPSで、敵の全滅やギミックの操作、カギを探しなどで次のエリアへと進んでいく。

武器はボナー(ハンドガン)、ティザー(マシンガン)、モノカッショナー(ショットガン)の3種類。ゲームを進めると性能が進化し、ハンドガンで接着爆弾を発射、マシンガンに誘導性能、ショットガンで溜め撃ちなどパワーアップ!

 

接着爆弾を敵に直接くっ付けて撃ち抜いても良し、敵が来る場所を先読みして仕掛けても良し。誘導性能付きマシンガンで全部ハチの巣にしても良し。

敵を撃つ気持ち良さがしっかりあり、地獄の沙汰も弾次第な手触りだ。

 

 

それとは別にマップ内やショップで手に入る「アカダマ」を集めることで、主人公のHPや各武器の攻撃力やリロード速度などの成長も出来るぞ。

 

 

光と闇のギミックが本作の特徴で、闇の中に突入すると敵は不死身かつ自分は体力がゴリゴリ減り続ける。闇に飛び込んでランタンを探し、どの武器でも使えるライトショットで光をともすことで、闇を晴らすことが出来るのだ。

 

つまりダメージを受け続ける闇の中に飛び込んで、敵から逃げつつスイッチを探す場面が定期的に来る。面倒な時もあるが、「ちょっと入るだけならダメージを受けない」「取るとしばらくダメージを受けなくなるアイテムが落ちてる」などの要素もあるので、まあほど良い緊張感に収まってるかな。

 

ライトショットで敵を痺れさせると近接攻撃で一撃死させられる要素もあり、使いこなせるとなかなか爽快だ。

 

 

ストックしていつでも使える回復アイテムは酒!

「テキーラ」「アブサン」などを飲みまくりながら悪魔との撃ち合い。彼女を助けに地獄に単身乗り込むんだからシラフじゃやってられねぇ。飲むと画面がちょっと歪む演出がイイ。ヤバいシーンは連続飲酒で切り抜けろ!

 

 

おどろおどろしい悪魔に死体の山、光で薄く照らされる物騒な地獄の風景は今見ても雰囲気が良く、イカしたデザインのボスも迫力たっぷり。

 

ただ、手堅くまとまってはいるがゲーム部分は意外と突き抜けたものがなく、赤い弱点を撃つボスばかりなのも、分かりやすいが物足りなさある。闇の中を彷徨うのは緊張感あったが、銃でスイッチを切り替えて道を作るパズルはだるかった。

一本道で脇道にアイテムが色々置いてある構造なのに、ちょっと進むと後戻りできなくなるのもややストレス。

 

シナリオはキャラの掘り下げが控えめで、ダラダラした地獄無駄話がメイン。終盤に全振りな作りだが……ガルシアの一途さは表現出来てるので、そこはインパクトあったかな。

 

 

中盤過ぎた辺りであんまり面白くない2Dのシューティングステージがはじまる上に、かなり長いのも辛いところ。

これだから須田ゲーはよぉ!

 

 

ストアページにも画像が貼られている地獄の歓楽街が、ミニゲーム専用の的当て場なのも結構ガッカリするところ。よく見ると看板に「NYO TAI MORI」とかあって一番面白そうなとこじゃん!ちゃんとステージとして探索させてくれよ!

 

 

リマスターとしては4k&60FPS化(Switch版除く)に加えて新コスチューム追加。オリジナル版で要望が多かった、データを引き継いでの「強くてニューゲーム」も追加されている。新コスチュームは最初から着せ替え可能で、攻撃力2倍のものもあるので、サクサク進めたい人はこれで遊んでも良いかも。オリジナルで長かった読み込み時間が短縮されてるのもありがたい。

 

ただ、オリジナルの不満点だったチャプターセレクト無し、ゲームオーバーになってリトライした時にちょっとしたデモムービーをスキップ出来ない、トロコンに3週必須、だるいミニゲームなどはそのまま。ここら辺にも手を入れて欲しかったなぁ。

 

同じくグラスホッパー開発で同時期にリマスターが出た『ロリポップチェーンソー RePOP』に比べると見劣りしちゃうね。

 

 

この手のゲームに慣れていれば、標準難易度でクリアまで8時間くらいかな?

それなりに面白いんだが「独自の世界観がイカしてる地獄巡りTPS!」という視点でも全体的にパワー不足な作り。遊びやすいゲームではあるので、ノリやガルシア&ジョンソンの掛け合いに惹かれたら……って1本だね。