G-MODEアーカイブス54 マジカルファンタジスタ3 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)
『マジカルファンタジスタ3』のレビュー行くぜ!
パブリッシャー:ジー・モード
機種:Switch
ジャンル:RPG
発売日:2024/2/20
価格:800円
ガラケーのアプリ作品をSwitchで復刻する『G-MODEアーカイブス』の54作品目だ。
2007年に配信された『マジカルファンタジスタ3』の移植となるぞ。人気のRPGシリーズ完結編。前作までは開発がマトリックスだったんだが、公式サイトに名前が無いので違うっぽい?
2010年にDSiウェアに移植されているが、タイトルからナンバリングが取れて『マジカルファンタジスタ』名義になっていた。
Nintendo Switchで復刻した過去2作はレビュー済み。
□テンポ良く進む魔法合成RPG!『G-MODEアーカイブス20 マジカルファンタジスタ』レビュー!【Switch】 - 絶対SIMPLE主義
□3人パーティで進化した魔法合成RPG!『G-MODEアーカイブス35 マジカルファンタジスタ2』レビュー!【Switch】 - 絶対SIMPLE主義
過去作は2作とも魔法学校の生徒である主人公が、1つしかない拠点からランダム地形のダンジョンに挑む構成だった。
完結編となる今回はフィールド画面を移動して各地の街やダンジョンを攻略する、普通のRPGに近い構成に進化。4人パーティになり、装備を付け変えて新しい技を覚える成長システムになり、シナリオも大国同士の戦争に主人公が巻き込まれるものに。
全体的にスーパーファミコン時代のRPGというか『ファイナルファンタジー』シリーズに近くなったね。雰囲気もガラッと変わって良くも悪くも別物になっていたぞ。
やり込み要素も豊富で、今でもそれなりに遊べる作り。
ただ、DSiウェア時代ならとにかく、今だとこの手のRPGは移植でも新作でもいくらでもある。ザコ戦の多さもしんどい。当時好きだった人か、シリーズを知りたい人向けになっちゃうかな。
舞台は科学ではなく魔学が支配する惑星エメラダ。
星のエネルギーであるアニマの減少で危機に瀕しており、魔法ではなく機械を有する帝国は、魔法皇国こそアニマ減少の原因として宣戦布告。この2国の戦争に巻き込まれたのが記憶喪失の傭兵ヨハネ。同僚や隣国のお姫様と一緒に、星を救う秘宝「ステラマリス」を探す旅に出るストーリーだ。
ファンタジー世界に機械文明がしみ出して争いになってる。
ファイナルファンタジー6~7辺りの影響が強い設定である。ちょっと5っぽいイベントもあったり。G-MODEアーカイブスのRPG色々遊んでるけど、スーファミ時代のスクウェアに魂を惹かれてるゲーム多い気がするな!
一本道のRPGで、街とダンジョンが1つずつくらいあるエリアをワープゾーンで次々に移動して物語を進める構成だ。砂漠エリアだったり山脈エリアだったり、SF色の強いエリアもあったり。ガラケーの制約の中で世界を広く見せる工夫を感じる。
戦闘はオーソドックスなコマンド式で、前作同様にスピードの速いキャラから行動していく作りだ。育成で速度を上げるとどんどん有利になる。
ステラと呼ばれるアイテムを装備して戦ってポイントを貯めると、新しい技やステータスアップを習得していく育成システム。結構ポンポン新しい技を覚えるし、新しいステラもガンガン手に入る。覚えた技はセットしないと使えないが、ステータスアップは取れば取っただけステータスが上がるので成長が楽しい作り。
一部の技は組み合わせが可能。ランダム回攻撃の「乱撃」と、2回発動の「連発」を組み合わせて乱れ撃ちだーーッ!みたいなのが楽しい。
全体攻撃魔法と「連発」を組み合わせてザコ掃除するのも良し。
ステラは石アイテムなので宝石や鉱物が割り振られているが、たまに「龍の尿道結石」とか大分イヤなステラがあったりするぞ!
尿道結石に苦しんだ龍が三日三晩暴れた伝説とかありそう。
育成はそれなりに楽しいし、中盤からはボスも強くなってくるので、それに合わせた技編成を試行錯誤する面白さも出てくる。ステータス下げる技を使ってみたり。弱点属性を突ける組み合わせにしてみたり。
ただ、終盤になると回避手段の無い全体即死魔法や、全体状態異常でいかに難易度を上げるかになってくるのがストレスだ。技でボスの魔力を下げると効きづらくなるような……気のせいのような……。
ボスのドットも前作の方が迫力あったなぁ。
前作はこんな感じでボスキャラはデカかったのだ。大分スクウェアを感じるドット。
ストーリーは魔法皇国からのおつかいをこなしつつ、主人公であるヨハネの記憶に隠された謎や、仲間であるジュリアスの家族に関する話、帝国に侵攻された祖国を魔法皇国に助けてもらいたいお姫様ウトナと、ウトナのことが好きだけど従者なので想いを出せないユベルの恋模様などを織り交ぜて展開する。90年代RPGの王道を感じる内容だ。
バケモノみたいな砂ミミズと仲良しの子供に出会って酷い目にあったりと、コミカルなイベントも多い。
ただ、世界を救う「ステラマリス」探しが国家間の戦争とやや離れたところで進行するので、敵側の描写が足りず、物語が収束してくる後半が色々と唐突。終わり方もやや投げっぱなし感あり。王道のストーリーではあるが、あんまり入り込めなかったな。
理不尽に強い隠しボスや、世界中隅々まで探して隠しアイテムを集めるクソ面倒なやり込み要素などもあったがやる気はおきなかった……!
気軽に言ってくれるなテメェ!
クリアするだけなら15時間ほど。
過去作とは「一応繋がってる」くらいの構成なので、本作から遊んでも大丈夫だし、王道の2DRPGとしての面白さはある。
ただ、基本的に昔のRPGっぽくザコ戦を延々とこなす作り。「ザコ戦が多い=ステラで新しい技をガンガン覚えられる」なので、どんどん強くなる気持ち良さはあるし、面倒なダンジョンなどは無く、いつでもセーブ出来てボス前に回復ポイントが用意されてる箇所も多いが……やはり今遊ぶとしんどさもある!
値段の800円以上は楽しめる内容にはなってるので、最初にも書いたがシリーズ経験者かシリーズを知りたい人、昔のRPGっぽいゲームをサクッと楽しみたい人向けかな。