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【レビュー】27年ぶり最新作!意気込みは買うが超チープ!『ソニックウィングス リユニオン』【PS5/PS4/Switch/PC】

 

ソニックウィングス リユニオン|サクセス

 

『ソニックウィングス リユニオン』のレビュー行くぜ!俺がプレイしたのはPS5版ね。

 

パブリッシャー:サクセス

機種:PS5/PS4/Switch/PC

ジャンル:2D横スクロールアクションゲーム

発売日:2025/5/29

価格:6380円

備考:PS4版は後日ダウンロード配信

 

2Dシューティング『ソニックウィングス』27年ぶりの最新作だ!

『ソニックウィングス』は90年台にヒットしたビデオシステムの代表作。アーケードで発売された2Dシューティングで、驚くほどテンポの良いステージ構成、操作キャラにアイドルから忍者、イルカまで登場する多様過ぎる顔ぶれに、製作側の斜め上のセンスが光る数々のバカ要素など。ライトかつ取っつきやすい作りで見所満載。

 

格闘ゲームブーム真っ最中でも存在感を放ち、アーケードでナンバリング3作を出し、家庭用でも移植やアレンジされた新作も発売されたが、最終的にニンテンドウ64『ソニックウィングス アサルト』で3Dフライトシューティング化しひっそり終わった。

アサルト以外はすべて1992年から1996年にリリースされているので、時代を音速で駆け抜けた人気シューティングである。

 

今回の完全新作は作曲を担当した元ビデオシステムの細井そうしさんが発案。現在のビデオシステムの権利はハムスターが持っており、許諾を得た上でサクセスが開発するという布陣になっているぞ。

 

 

本作の発表前に、シリーズのアイドルである「真尾まお」の新たな声優もオーディションで決定。まさかのシングルCDも令和に2枚発売されたのだ!

真尾まおのシングルCDなんて当時でも出てなかったヤツだよ!

 

 

その流れを引き継いでいるので、限定版も真尾まお推しでシングルCDが付属。ゲーム内でも真尾まおの歌をBGMで流すモードが搭載されているぞ。

 

そんな経緯で発売された完全新作『ソニックウィングス リユニオン』。

インディー以外のシューティングで新作が出るのは大変珍しい昨今で、27年ぶりの完全新作は大変めでたい。「グラフィックがPSPのゲームみたいだ!」という点には目を瞑って期待を込めて購入したんだが……。

根本的に開発力が無いスタッフが作ってる内容で非常に厳しかった!

 

 

恐ろしく簡素なメインメニューにビビる。BGMすらない。

遊べるモードは難易度が3段階のアーケードモードのみ。トレーニングはクリア済みステージを練習するモードでクリア後に解禁される。

 

説明書もチュートリアルも無いものの、単純なシューティングなので説明不要……と言いたいが

「パワーアップアイテムを取って最強状態になると、一定時間経過後に1段階パワーダウンする」

「最強状態でパワーアップアイテムを取ると一定時間得点が2倍」

という点は過去作をやってないと分かり辛いかも。やっぱり説明いるんじゃねぇか?

 

ストーリーは公式サイトに書いてあるが……。

 

20XX年、世界各国の都市が襲撃を受けた。
超兵器を有し、未知のテクノロジーで世界の軍事兵器を掌握する謎の組織
「ファタ・モルガナ」が復活したのだ。
この世界の脅威に対して立ち上がった空駆ける騎士たち、国際秘密救助隊
—「プロジェクトブルー」。
様々な理由で強大な敵に戦いを挑む、彼ら彼女らを待ち受けるものは……!?

 

ゲーム内だと全然分からないので特に気にしなくて良し!なんか濃い連中が戦闘機で敵を倒す!くらいの話。「ファタ・モルガナが復活」って考えると時系列的にもシリーズ最新作っぽいんだけど、その辺もよく分からなかった。まあ、ストーリーがテキトーなのは元からではある。

 

 

プレイアブルキャラは8人+隠しキャラ2人!

旧作同様に軍人から忍者、バイキング、イルカと濃ゆい顔ぶれ。可愛い双子の姉妹もいる!隠しキャラはビデオシステムの『ラビオレプス』『すくすく犬福』からの参戦だ。

 

ショットとボムの性能が異なるため、選んだキャラによってゲームの手触りがガラリと変わる。選んだキャラと別に僚機を選ぶことも可能で、その場合は僚機のボムも含めてボム2種類が使用可能となるぞ。

 

例えば「ショットは強いけどボムは弱いキャラ」と「ショットは弱いけどボムは強いキャラ」を組み合わせて弱点をフォローできるというわけね。

 

僚機を使わずに出撃も可能で、その場合はボムが通常より1個増える仕様。

 

 

全8ステージ構成のシューティングで、昔ながらのアーケードゲーム的な構成。

武器はショットとボム!

背景壊すと出てくる金を拾うと得点!

ボスを倒したらステージクリア!

以上!

という、過去作を踏襲したシステムでめっちゃシンプルだ。溜め撃ちとかコンボとかそういうシステム一切無し。撃つ!避ける!ヤバくなったらボム!の分かりやすい作り。

 

 

『ソニックウィングス』シリーズと言えば、1周が20分程度で終わる圧倒的テンポの良さと、世界各国を舞台にしたステージ構成、時折飛び出すトンデモ要素などが特徴だが、そこら辺もしっかり意識した作り。どのステージもすぐにボスが出てきてすぐに決着!

 

 

過去作は「東京都庁内部からビームが発射されてボスが登場!」「通天閣が変形してロボに!」などのはっちゃけた要素があったが、本作だと「新国立競技場からビームが照射されてボス登場!」「東京ビッグサイトが変形してロボに!」と、しっかり令和最新版になってるぞ。

 

 

しかし効果音がショボいし、チープな背景に自機や弾が埋もれちゃうし、背景の壊せる場所が分かり辛かったり、ランクが上がった時のザコ敵の硬さが厳しい調整だしで、遊んでいて爽快感が薄い。「手触りが悪い」って表現をしたくなるかな。ラストステージなど、一部ステージは特に弾が見辛い。

 

過去作と比較してもボムの数が非常に多いのでこれを軸にするのは分かるが、逆にボムが強いキャラだとラスボスがボム1発で沈んだりと大味なバランス。僚機システムがあるので、早い段階で強い組み合わせが見つかる。

 

かと思うと2週目に入った途端に至近距離で高速弾を撃ってくる敵が大量に増え、1周目ではダメージ判定が無かったボスのエフェクト演出に判定が付いたりと難易度が急上昇!極端すぎる……。

 

 

単にグラフィックがチープなんじゃなくて、演出面でこだわりがまるで感じられないのが厳しい。倒すと雑に爆発して雑にホワイトアウトするボスばかりで、全然スカッとしない。この爆発には芸術が無い!

 

 

このプログラムミスみたいなニュッとした大型機の登場演出、発売前に公式で公開されて「さすがに製品版で直るよな……?」と思ったら未修正でビビった。未知の動きにもほどがあるだろ。

 

 

デモシーンでコウフルの立ち絵の角が途切れてるとか、見れば見るほど雑な点が飛び出す……。

 

 

過去作はボスの挙動や爆発エフェクト、ドットなど凝ってたのでめっちゃ見劣りする。

今はインディーでもグラフィック凝ってるシューティングが珍しくない時代だし余計にな……。

 

 

会話デモも気になる点。

全キャラクターにステージクリア時のセリフとエンディングが個別にあり、更に僚機システムを使った場合の2人会話、2人エンディングもすべての組み合わせで用意されている。

 

 

凝っていると言いたいがどのシーンも数行程度のテキストだし、唐突に雑なパロネタ振って終わるだけのエンディングが多すぎる。過去作も投げっぱなしのエンディング多かったけど、メタにしろギャグにしろ、もうちょっと真面目にやってたよ!

真尾まおのエンディングは現代らしいオチで悪くなかったが……。

 

ギャラリーが存在しないからエンディングを見返したり出来ないし、ボイス演出なども一切ないから淡々としてる。27年ぶりの完全新作なんだから、キャラを魅せるゲームとしてもやる気を見せて欲しかったな。

 

 

新システムとしてBGMとノーマル、歴代BGMのアレンジ、真尾まおのボーカル曲の3つから選べる機能を搭載。歴代アレンジはプレイヤーが順番をエディットできるようにもなっている。曲に関しては悪くないが……そこまで印象にも残らないくらいの評価かな。ゲーム部分が簡素すぎるのが大きいかも。

 

 

隠しキャラ含めた全キャラで1周クリア。

シンプルなシステム、1ステージのテンポの良さ、濃ゆいパイロットたち、世界各国を舞台にしたステージ構成と、過去作を意識してるところは評価したい。

 

が、ゲームとしては古臭くて味気ない内容。古き良きシューティングを開発力が無いまま、低予算で現代に蘇らそうとした結果がこれ!テンポは良いし極端に出来が悪いわけではないんだが、何回も遊びたくなる魅力も薄い。これに定価6000円以上払って満足できる人がどれだけ存在するのか……悩んでしまう完成度だったぜ。

 

アーケードアーカイブスとアケアカNEOGEOで『ソニックウィングス』『ソニックウィングス2』『ソニックウィングス3』が出ているので、やってない人には普通にそっちがオススメです!