『サバイバルキッズ』のレビュー行くぜ!サバキの時間だ!
パブリッシャー:KONAMI
機種:Switch2
ジャンル:協力サバイバルゲーム
発売日:2025/6/5
価格:7480円
ゲームボーイ時代から続くコナミの人気シリーズ『サバイバルキッズ』久々の最新作……という位置付けで良いのかな?遭難して無人島にたどり着いた主人公が、サバイバル生活をしながら脱出を目指すシリーズ。過去作は1人用のサバイバルRPGだったが、今回は最大4人で遊べるステージクリア型のアクションになった。
Nintendo Switch2のニンダイで海外の怪しい広告ゲームが紹介されたと思ったら、コナミが7480円で出す『サバイバルキッズ』最新作だったのはビックリ仰天したぜ!
海外主導で開発はUnityが担当している。Unity6で開発したタイトルをNintendo Switch2ロンチで出したいUnityの意向。日本でしか売れない『シャインポスト』以外に、世界向けに売れるロンチが欲しいコナミの意向。これが噛み合った感じかな。
シリーズ全然やってない俺でも分かるくらい、過去作と別物過ぎる名前だけの内容。
ならばと完全新作の7480円のゲームとして向き合ったが、大分しんどい遭難だったぞ!
今回は自分の配信で4人集めてマルチプレイしてのレビューです!
このためにこのゲームを買ってくれた強者がいて感動した!穴の開いた船に乗って一緒に遭難してくれてありがとう……!
- プレイヤーキャラはセリフ無し!番人の案内で遭難を繰り返すストーリー
- 謎解き&素材集めのステージクリア型アクションゲーム!好成績を強要!
- アスレチック施設か?ご機嫌なナレーションの指示にひたすら従うゲーム展開!
- 「そもそも4人で遊んだら大抵のゲームは面白い」の範疇を出ない4人マルチ
- 明らかな練り込み不足で値段が高くてマルチがし辛いゲームでした!
プレイヤーキャラはセリフ無し!番人の案内で遭難を繰り返すストーリー
ストーリーは宝の地図を見つけた子供たちが出航して遭難した!くらいで、プレイヤーキャラのセリフなどは無し。打ち上げられた島の番人に導かれながら、複数の島を巡って宝探しをしつつ帰還ルートを模索する流れだ。
遭難して漂着した島を探索して脱出!
脱出したと思ったらまた遭難して別の島に漂着!
を繰り返すゲーム展開なのがシュール。
アバターを作成するが出来るのは被り物と服装の変更、各部位のカラーリング変更だけ。被り物にくっ付いてるものを除くとメガネは1種類のON/OFFのみ。
7000円越えのゲームにしてはカスタマイズの幅がちょっと狭いな?とまず感じさせる。
謎解き&素材集めのステージクリア型アクションゲーム!好成績を強要!
ジャンルとしてはステージクリア型の協力アクションゲーム。
木を切ったり石を砕いたりして素材を集め、釣り竿や団扇、トランポリンなどを作成。活用して道を進みながら、ステージ最奥にあるイカダまでたどり着き、素材を集めてイカダを修理できればステージクリアだ。
1つのステージが3エリアに分かれており、次のエリアに進むたびに引き返せなくなる仕様。材料集めてベースキャンプを作る。そこを拠点に道具作りなどを行って道を切り開く。ベースキャンプを畳んで担いで次のエリアまで運ぶ……という流れを繰り返す。
ステージはほぼ一本道。中盤からは複雑化して、脇道にある収集アイテムなどが見つけ辛くなる。その割にマップなどが一切見れないのが辛い所だ。
クリアタイムと、ステージに隠されたスターコイン……じゃなかった宝の石3つを集めたかどうかでクリア時に星が手に入る。
この星評価をある程度集めないとラストステージに挑戦できない。これをラストステージにたどり着いた時に後出しされるから非常に印象が悪い。必要な星の数が結構厳しいので、初見だとかなりやり直すことになるぞ。
ちなみにタイム表示はオプションで表示と非表示を選べる。
アスレチック施設か?ご機嫌なナレーションの指示にひたすら従うゲーム展開!
アイテム作りに必要な材料はすべて表示されるし、次の目的などはすべてゴキゲンなナレーションが案内してくれる。
思ってた無人島サバイバル生活とかなり違う! #NintendoSwitch2 #サバイバルキッズ pic.twitter.com/4LpoCggfjk
— ゲームブロガー双葉ラー油 (@daikai6) June 6, 2025
この妙にテンションの高いナレーションに最初から最後まで誘導されるゲームだ!
サバイバルじゃなくてアスレチック施設だな……!海外の広告ゲーム感を強めている要因の一つな気がする。
アスレチック施設としては楽しければまったく問題はないんだが、とりあえず1人プレイは虚無で面白い箇所がほとんどない。
「釣り竿でスイッチを引っ張る」
「団扇で風を起こしてスイッチを押して足場を動かす」
といった安っぽいゼルダみたいな謎解きを延々解くゲームで、そこに「素材を集めないと道具を作れない」「道具は1つしか持てないので、キャンプに戻って持ち替える必要がある」「果物や魚を集めて料理を作り、スタミナをつけないと一部の重要アイテムを掘り出せない」などの作業要素をくっ付けただけの構成だ。
ステージクリアしたら別の島に進むので、毎回この流れをやることになる。
プレイヤーの脅威となる野生生物のザコやボスキャラは存在せず、こちらを邪魔するのは砲台のみ。吹っ飛ばされて水没するとちょっと手前の場所まで戻される。石をぶつけると一瞬止まるが倒すことは出来ない。こちらの動きを先読みする偏差射撃が基本という、妙にイジワルな動きをしてくるのがイライラする。
素材集め用の木が集まってる場所に砲台が設置してあるとか、そこそこ嫌がらせみたいな配置もあるぞ。
おいッ!アトラクションなら客をもっと楽しませろ!(砲撃で吹っ飛んで水没しながら)
「どういうルートを通ればこの重要アイテムをキャンプまで運べるのか?」
を考えるのは少し面白いところではあるんだが、似たようなステージばかりで、同じ仕掛けの再登場&別の仕掛けとの組み合わせでボリュームを上げているだけなので、後半になるほどテンポが悪化。
素材集めパートが長くなって道具の持ち換えの手間が増えるだけなので、しんどさが雪のように降り積もっていく。
後半は星3評価を取るにも30分以内とか40分以内とか、単純にステージが長すぎるよこれ!1人プレイだと効率が悪化するので、本当に全ステージで星3取れるのか!?って気持ちになる。
「そもそも4人で遊んだら大抵のゲームは面白い」の範疇を出ない4人マルチ
4人マルチの話に希望を託す!
まずオンラインは「部屋を立てる」か「コードを入力して部屋に入る」だけなので身内専用。野良で知らない人とワイワイ遊ぶようなやり方は出来ない。
4人マルチがやりたければ、このゲームに7480円払った身内で3人集める必要があるぞ!アルガス騎士団を結成するハードルが高いぜ!
4人プレイだとさすがに1人プレイよりは面白く、みんなで素材を集める動きが段々洗練されていく楽しさや、重い物を運んだりする時の一体感、二手に分かれて砲台を誘導する緊張感などがある。クリア状況も共有されるので、高評価が難しいステージにみんなで挑めばかなり楽になるぞ。
とはいえ「そもそも4人で遊んだら大抵のゲームは面白い!」の範疇は出ていない。タイムアタック要素があるからのんびりできないし、指示に従って単調な素材集めを延々とやるゲームなので窮屈。4人で無人島でサバイバルしてるのに、どうしてか息苦しい……。
道具を1人1種類しか持ち歩けず、仕掛けに合わせて持ち換えないといけないゲームなのに、マルチ用のエモートに「道具のアイコン」が無い。テストプレイが足りてないと感じた。
「釣り竿が必要だから持ってきてくれ!」みたいな指示を出せないってわけね。木や岩などの素材集めに関しては、近くでRボタン押すと対応したアイコンが出たりはするんだけども。
明らかな練り込み不足で値段が高くてマルチがし辛いゲームでした!
ステージクリア型ゲームなので、タイトルやコンセプトから想像する広大な無人島でサバイバル生活を楽しむゲームではない。かといって協力プレイでタイムアタックや効率プレイを極めるゲームとしては、ステージ構成がダラダラし過ぎている。
『オーバークック』くらい1ステージをコンパクトにまとめれば面白かったかもしれない。エンディングも盛り上がりなくヌルッと終わる。
1人プレイは7480円払って海の藻屑になるようなもの。マルチゲーとしても個性が見えず、練り込み不足で純粋に完成度が低い。安くてマルチがしやすいならまあ……って感じだが、高くてマルチがし辛いゲームなので救いは無い!
2024年の『CYGNI: All Guns Blazing』に続いて、コナミが海外メーカーと組んで薄味で大味でつまんないゲームをまた出したって印象でした……!