Nintendo Switch|ダウンロード購入|ARTIFACT ADVENTURE 外伝 DX
『ARTIFACT ADVENTURE 外伝 DX』のレビュー行くぜ!
メーカー:room6
機種:Switch
ジャンル:8-Bit風オープンワールドRPG
発売日:2019/06/06
価格(税込):1000円
ゲームボーイ風のドットで描かれた2DのRPGだ。
元々は『Artifact Adventure Gaiden』というPCタイトルで画面がモノクロだったが、
Switch版はDXということにカラーになり、音楽などもアレンジされているぞ。
おすそ分けプレイによる戦闘の2人協力プレイも追加。
外伝とあるがこれ単独で遊んでも問題ない作りになっている。
PC版を先にやっていて面白かったのでSwitch版も購入して今回も楽しんだぜ。
良い意味でのゆるさと自由度が魅力の作品となっているぞ。
3年後にやってくる「厄災」へ対抗するために、
崩壊した村のたった一人の生き残りである主人公が旅に出るというストーリーだ。
3年後に備えて国内の問題を解決し、主人公の力を付けておくという流れだが、
プレイヤーが「準備OK!」と思ったら王様に話しかければいつでも3年後に飛べる。
ゲーム開始すぐに3年後に突入することも可能だぞ。
何も準備出来てねぇ……!
タイムマシン的なアイテムは無いので一度3年後に飛んだらもう戻れない。
お城からスタートし、3人の仲間を連れて出発するが一人旅も可能だ。
最初の仲間は城から派遣される騎士、冒険家、貴族の3人から1人を選ぶことになるが、
この選択でゲームバランスが大きく変化。
騎士を仲間にすれば強力な戦闘スキルが使えるようになるし、
冒険家を仲間にするといきなり世界中すべての街にファストトラベル可能。
そして貴族を仲間にすればいきなり100万ゴールドゲットで、
さらに各地にある別荘で追加資金も入手可能。
100万ゴールドで最強装備買いまくりだぜ!ゲームバランスが壊れる!
勇者にはした金しかくれないドラクエの王様がケチ臭く感じていた人にオススメ。
残り2人の仲間は城の中にいる兵士や犬、職人、魔導士などから選ぶことになり、
イベントや得られるスキルなどが変化するぞ。
好きな仲間を選んで大冒険のはじまりだ!
ちなみにオプションで画面をPC版と同じモノクロにすることも可能。
この微妙な緑色がゲームボーイ世代にはしみる。
各地で発生している2択の選択肢つきのイベントをクリアしておくと、
3年後にその選択の結果が分かるという構成になっている。
怪しげな実を渡すか渡さないか、魔物を倒すか倒さないか、
悪人を突き出すか見逃すか、怪しい宗教を潰すか潰さないか、
怪しげな男の話を信じるか、などなど。
プレイヤーの選択が3年後に良い結果となって現れたり、
逆に良かれと思ってやったことが3年後で裏目に出たりと悲喜こもごも。
割とモヤッとしたまま終わることもあれば、
プレイヤーの選択次第で大量の死人が出ることもあるので、
遊んでいて「ち、違う…私そんなつもりじゃ……」ってなる。
イベントはかなり種類があり、
選択によって手に入るアイテムが変化したりもするから探索が楽しい作りだ。
エンディングでは3年後から先の結果まで描かれるので、
まさにプレイヤーの選択が未来を創っていくのである。
記憶を失っている主人公に対して不穏な反応をするキャラもいたり、
ゲームを進めることで様々な事実が明らかになっていく。
ちなみにPC版はクラウドファンディングを行っており、
その時の名残で墓に色んな人の名前が刻まれてるぞ。見つけたら調べてみよう。
戦闘はクモの巣に触れると発生するシンボルエンカウント方式。
種火というアイテムを使うと巣を燃やして戦闘を回避可能で、
これはショップでも安価で売ってるし最大15個まで持てる。
戦闘よりイベントで貰える経験値の方が圧倒的に多いバランスなので、
戦闘は適度に避けつつ進めた方がテンポ良いかな。
これから毎日クモの巣を燃やそうぜ!
戦闘は横画面のアクション。
体当たりによる攻撃と事前にセットした3つのスキルを使って戦うのだ。
出てくる敵を全部倒せば勝利。
スキルは一度使うと一体時間経たないと再度使えないものが基本なので、
どのタイミングで使うかも考えなければいけない。
体当たりとスキルで敵にバシバシダメージを与えていくのが気持ち良い手触りで、
ドバドバ飛び出すダメージ表記と画面のエフェクト演出が爽快!
戦闘中に使える3つのスキル以外にも、3つのパッシブスキルが装備可能。
操作は単純ながら装備アイテムとの組み合わせで
色々な戦い方が出来るようになっている。
火炎攻撃を付与するパッシブスキルに、火炎属性を高める装備を組みあわせたり、
連続攻撃系のスキルと多段ヒットの確率が上がる構成で固めてみたり。
ナイフや爆弾といった消耗品の攻撃アイテムを使いまくる構成にしてみたり。
自分好みの組み合わせを考えるのが面白い。
2段ジャンプ可能になって空中の敵にダメージアップするようなスキルもあり、
ボスによってはこういうのを使うと一気に楽になったりも。
3年後の未来に飛んでラスボスを倒せばクリアとなり、
そのまますべての要素を引き継いで2周目に突入可能。
異なる仲間でまた世界を巡り直しても良いし、
強いままだから気になるイベントだけやり直してサクッとラスボスを倒しても良しだ。
また、2周目からは敵の強さを上げられる「限界突破」機能が解禁となり、
更に敵の強さを上げられるし、やり込みユーザー向けのイベントも用意されている。
世界をしっかり巡ってクリアしても8時間掛からないくらいだが、
周回することややり込みを含めると丁度良いボリュームかな。
一度訪れた街へはファストトラベルでワープ可能だし、
発生させたイベントは分かりやすくリスト表示されるし、
種火で戦闘が回避できるしと、
見た目はレトロでもストレスが溜まらない作りになっているね。
難点としてはダンジョンがやや単調なところ。
基本的に仕掛けなどは無く、後半に入るほどどんどん長くなっていくので、
クモの巣を焼くことを前提としてもダレてくる。
どのダンジョンも最奥に「死者の道」という
入口まで戻るショートカットが用意されているんだが、
これは序盤のアルコルの南にある墓場で発生するイベントを
クリアしないと使用できず、
しかも発生場所やクリア条件がちょっと分かりにくいのも気になったところ。
選択肢で分岐するイベントも面白いんだが、
全体的にキャラのセリフが淡泊で、ちょっとあっさりし過ぎているようには感じたなあ
昔のRPGっぽさを出そうとしているのは分かるんだけどね。
昔のRPGの「イベントをクリアする面白さ」にフォーカスした作りで、
世界をどんどん探索したくなるし、アクション要素のある戦闘も軽快。
プレイヤーの行動次第でゲームバランスをぶっ壊すことも可能で、
周回プレイする楽しさもある。現代風になっているところもあり遊びやすい。
まさに「8bit風」かつ「新作のRPG」だ。
レトロ風のRPGも最近は大分多くなったが、
こういう方向性でこれだけシンプルにまとまっているのはなかなか無いと思う。
1000円は格安。Switchの携帯モードにも向いてるしオススメです。
このレビューを信じるか信じないかは……読んでいる君次第だ!