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【レビュー】ノリは好み分かれる!驚愕の高品質SFサウンドノベル!『樹海迷路』【Switch/PC】

 

樹海迷路 | Nintendo Store

 

Steam:樹海迷路

 

『樹海迷路』のレビュー行くぜ!

 

パブリッシャー:致意

機種:Switch/PC

ジャンル:SFサスペンスノベルゲーム

発売日:2026/01/21(PC)2026/03/12(Switch)

価格(税込)800円

 

中国のインディーゲーム開発者である致意 氏の最新作。

『神無迷路』の続編となるSFサウンドノベルで、前作に続いてフルボイスの日本語吹き替えに高品質なビジュアル、フローチャートによる豊富な分岐と作り込みがスゴい!

 

 【レビュー】500円で驚きの作り込み!ガッツリSFなミステリーノベル『神無迷路』【Switch/PC】 - 絶対SIMPLE主義

 

前作から主人公とヒロインが続投しているのでガッツリ続編なんだが、話としては独立している。本作からでもそこまで問題は無いと思う。

 

樹海と謎の精神病棟という2つの舞台をフローチャートで解き明かしていく構成は面白かったが、主人公のノリがキツくて今回ちょっと合わなかった……!

 

 

主人公は21歳の無職である波立良志。彼女である霜月が人気VTuberで、その協力をすることで生計を立てている。

今回は広大な蒼木ヶ原樹海でのVlog撮影に同行することに。しかし探索中に案内人が行方不明となり、悪天候もあって遭難。次から次へと不審な出来事が起き、気が付くと主人公は記憶を失って「樹海館」という精神病棟にいた。

 

 

「樹海館」は怪しい宗教団体によって管理されており、刑務所のような警戒態勢も敷かれている。

主人公は「樹海館」から脱出できるのか?そして一体ここで何が起こっているのか?

というストーリーだ。

 

 

ゲームとしては選択肢で分岐するオーソドックスなサウンドノベル。

特定のエンディングを見ていないと選べない選択肢などもある。フローチャートで全体図を確認し、分岐を潰しながら物語の謎を追っていく構成だ。

 

 

海外制作だが日本語テキスト、日本語吹き替え共にまったく違和感なし。

3Dをフル活用し、シーン毎に用意された画の物量も凄い。臨場感ある。

 

 

前作は『かまいたちの夜』を思わせる青いシルエットで人物を表現していたが、今回は顔がしっかり見える3Dモデルになった。

賛否分かれているようだが、個人的にはアリ!3Dモデル自体がしっかりしてるし、この表現だからこそ面白さと不気味さが増しているシーンが多い。

ちょっとPS2時代のADVっぽいノスタルジーもあるね。

 

 

地下深くの閉鎖施設が舞台だった前作と異なり、今回は登場人物が多い。

精神病棟では自分を天才だと思い込んでいる「アインシュタイン」や、潜入調査をしていると主張する「警部」など。クセのある連中と協力して情報収集や脱走計画をしていくことになるし、名前の無いモブ患者もヤバい連中揃い。

 

ネタバレになるので多くは語らないが、敵として立ちはだかる「織田」や、終盤まさかの重要ポジションとなるあの人物も非常に印象的。

全体的にマンガ的なキャラ付けだが魅力的に描けてる。

 

 

フローチャートを使って分岐を追う面白さもしっかりある。

シナリオ構成が前半の樹海パートとそれ以降の精神病棟パートに分かれており、プレイヤーは神の目線で両方の分岐を巡り、情報を集めることで物語が先へ進む。

システムとシナリオがしっかり噛み合っていて、前作同様に引き込まれる作りだ。

 

 

前作は粒子SF要素の説明パートが長すぎて取っつき悪かったが、本作は……まあ、大分コンパクトにはなってるかな……!

 

 

気になったのはおふざけ選択肢の多さとギャグの滑りっぷりと主人公の性格。

前作に比べると強引に突っ込んだようなギャグ選択肢やパロネタが目立ち、遊んでいて、興覚めすることが多かった。

緊迫した重要シーンでヒロインの顔に屁をかますか、我慢するかの強制2択を突き付けて来るゲーム厳しいって!

選択肢を潰すゲームだから両方選んだけどストーリーに影響ないし!いやこの2択で影響あっても困るけど!

 

 

ヒロインのヒモやってる主人公も他責思考かつ無駄に口が悪いので全然好きになれず、ヒロインとのやり取りが薄すぎて終盤が盛り上がらなかった。

 

全体的に言動が支離滅裂で、急におかしくなったような箇所も多くて唐突だ。そうなる理由は設定を考えると納得できるような、他のルートや描写を考えると納得できないような……くらいの空気感。そのせいで狂気に至るルートが今一つ映えてない。

 

 

ギャグも全部が滑ってるわけじゃなく、しょうもないバッドエンドなどは箸休めとしてちゃんと笑えたし、ドクターにスムーズにボロクソ罵られるシーンとかはかなり好き。

こういうのも全部フルボイスなのは本作の長所でもあり、不快なシーンや滑ってるシーンがしんどくなる短所でもある。

 

 

クリアまでは5~6時間くらい。

ガッツリSF要素全開のサスペンスとしては前作の方が完成度高いが、幅の広がった舞台や登場人物の多さによるエンタメ度は本作の方が高い。

 

前作から300円値上がりしたとはいえ、それでも良い意味で「これで800円!?」と驚ける内容だ。フルボイスだからな!

 

しかし個人的にはやっぱり主人公のノリに付いていけなかった……!

主人公が好きになれないと細かい整合性も気になって来る。あの分岐であいつがあんなにあっさり死ぬか?あのシーンで主人公の顔知らなかったのか?とか。

ちょっと好み分かれる1本でした!